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結論:庭キャンプは「火の可否の確認」→「4点のギア」→「猫と近隣の段取り」の順で始まります

先に答えを書きます。庭キャンプを始めるのに、キャンプ場に行くようなフル装備は要りません。移住3年目の我が家が実際にたどり着いた最短の手順は、次の3ステップです。
- 自分の庭で火を焚いていいのかを確認する。ここを飛ばすと、買ったギアが全部使えません。我が家は移住して最初の夏に地元の消防署へ電話し、焚き火をしてよい条件(風の強い日は避ける・消火用の水を必ず置く・野焼きにあたる量は燃やさない)を教わりました。自治体によって扱いが違うので、ここだけは検索ではなく電話で確かめてください。
- 最初にそろえるのは「タープ・焚き火台・椅子・明かり」の4点だけ。テントは要りません。庭キャンプは寝る場所が家にあるので、テントは「あると楽しいもの」であって「無いと成立しないもの」ではないからです。
- 猫と近隣の段取りを先に決める。猫を庭に出すなら脱走対策、近隣には煙の方向。この2つを詰めておくと、2回目以降が驚くほど気楽になります。
この記事では、この3ステップを順番に、実際にやってみて分かったこと(と、やらかしたこと)を添えて書いていきます。ギアは「なぜ庭キャンプではこれなのか」という理由つきで紹介します。キャンプ場向けの定番とは、選ぶ基準が少しずれるからです。
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🧑💻 この記事の信頼性
田舎暮らし3年目・猫と暮らすフリーランスエンジニアが、自宅の庭で実際に焚き火とタープ設営を繰り返しながら執筆しています。消防署への確認内容、猫を庭に出すときの運用、腰を痛めた経験から選んだ椅子の条件まで、実際に手を動かした範囲で書いています。
そもそも「庭キャンプ」はキャンプ場と何が違うのか
庭キャンプは、キャンプの簡易版ではありません。制約と快適さの置き場所が、まるごと入れ替わったものだと考えると、ギア選びを間違えません。
キャンプ場では「持って行けるものだけで完結させる」ことが最優先なので、軽さと収納サイズが正義です。ところが庭キャンプでは、家が背後にあります。トイレも冷蔵庫も電源も充電器も、10歩以内にある。だから軽さの優先度が一気に下がり、代わりに「設営と撤収が何分で終わるか」が最重要になります。
これは実感として大きい差でした。片付けが面倒だと、庭キャンプは月に一度の行事になってしまいます。逆に「15分で出せて15分でしまえる」状態を作れると、平日の夕方に「今日やるか」で始められるようになります。我が家が庭キャンプを続けられている理由は、景色でも道具の値段でもなく、この設営スピードでした。
| 項目 | キャンプ場 | 庭キャンプ |
|---|---|---|
| 最優先の条件 | 軽さ・収納サイズ | 設営と撤収の速さ |
| テント | 必須 | 無くても成立する(家で寝られる) |
| 忘れ物 | 致命傷になりうる | 取りに戻れる |
| 電源 | 電源サイトか蓄電池 | 屋外コンセント/延長コードでも可 |
| 気を使う相手 | 隣のサイト・管理人 | 近隣の家・洗濯物・煙の方向 |
| 猫 | 移動のストレスが大きい | 移動ゼロ。ただし脱走対策が必要 |
| 中止の判断 | 予約があるので悩む | 雨なら即やめられる |
| 火の扱い | サイトのルールに従う | 自分で確認して自分で責任を持つ |
最後の行が、庭キャンプでいちばん大事なところです。キャンプ場では「焚き火可」と書いてあれば焚けますが、自宅の庭には誰も看板を立ててくれません。なので、ギアの話の前に、そこから始めます。
ステップ1:買う前に確認する3つのこと
① 自分の庭で焚き火をしてよいか(電話で確認するのが確実です)
屋外で火を燃やすことについては、廃棄物の野外焼却(いわゆる野焼き)を原則として禁じる法律があり、そのうえで自治体ごとに条例や運用が上乗せされています。「田舎だから自由」ではまったくありません。実際、同じ県内でも市町村によって言われることが違います。
我が家は、移住して最初の夏に地元の消防署へ電話して確認しました。そのとき言われて、いまも守っているのが次の点です。
- ごみや草木の「処分」として燃やすのではなく、レジャーとしての焚き火であること
- 風の強い日はやらないこと
- 消火用の水をすぐ使える場所に置いておくこと
- 煙が近隣の迷惑にならない範囲にとどめること
- 火をつけたまま、その場を離れないこと
加えて、地域によっては焚き火をする前に消防へ「火災とまぎらわしい煙」の届け出をお願いしているところもあります。これをやっておかないと、通りかかった人が親切心で119番して、消防車が来てしまいます。近所づきあいという意味でも、最初の一本の電話は本当に価値があります。地方移住後のご近所づきあいでつまずくポイントとしても、煙と音は上位に来ます。
② 煙と匂いがどっちに流れるかを見ておく
これは失敗してから学びました。最初の年、風向きを考えずに焚き火をして、干しっぱなしだった自分の洗濯物を丸ごと焚き火の匂いにしたことがあります。近隣の家に流れていたらと思うと、いまでもぞっとします。
以来、庭のどこに火を置くかは固定していません。その日の風下に何があるかを見てから決めています。目安として、次の順で確認します。
- 洗濯物(自分の家と、見える範囲の近隣)
- 近隣の家の窓が開いているか
- 物置や納屋など、燃えるものが風下にないか
- 猫の出入りする縁側の方向
風が強い日はやらない、というルールは煙の問題としても正しくて、風が強いと灰と火の粉が飛びます。乾いた落ち葉が積もった庭は、それだけで燃料です。焚き火の前に、火の周り2〜3歩ぶんの落ち葉と枯れ草はどけておくと安心です。
③ 足元(地面)の種類を確認する
庭の地面が何かで、必要なギアが変わります。ここを見ずにタープだけ買うと、ペグが刺さらなくて詰みます。
| 庭の地面 | ペグは刺さるか | 焚き火のときの注意 | 向いている対策 |
|---|---|---|---|
| 土・畑 | 刺さりやすい | 乾くと火の粉が舞いやすい | 周囲の枯れ草を除く |
| 芝 | 刺さる | 直火は確実に枯れる | 焚き火台+焚き火シート |
| 砂利 | 刺さりにくい | 燃え広がりにくく安全側 | 重り(水タンク等)で自立 |
| コンクリート・土間 | 刺さらない | 熱で表面が傷むことがある | 焚き火シート必須/自立式タープ |
| ウッドデッキ | 刺さらない | 焚き火はおすすめしません | ランタンと食事だけにする |
我が家の庭は土と芝が混ざっていて、雑草との戦いが常にあります。庭の整備そのものについては田舎の庭の雑草を撃退する5ステップと防草シートを3年敷いてわかった失敗と正解にまとめています。庭キャンプをやる場所だけでも整えておくと、虫もぐっと減ります。
ステップ2:庭キャンプに最初にそろえる基本ギア4点
ここからが本題のギアです。優先順位を先に表にします。テントが1位ではない理由は、先ほど書いたとおりです。
| 順番 | ギア | 庭キャンプでの役割 | 無いとどうなるか |
|---|---|---|---|
| 1 | タープ | 日除け・にわか雨よけ・夜露よけ | 昼は暑くて続かない/雨で即撤収 |
| 2 | 焚き火台+焚き火シート | 火を安全に囲う。庭キャンプの主目的 | 直火になり地面が傷む/危険 |
| 3 | 椅子 | 座っている時間がほぼすべて | 腰と背中が先に音を上げる |
| 4 | ランタン(明かり) | 田舎の夜は本当に真っ暗 | 足元が見えず危ない |
| 番外 | テント | 泊まる気分を味わう | 家で寝ればよい。急がなくてよい |
1. タープ:テントより先に買うべき一枚
庭キャンプを一度でもやると分かりますが、困るのは寒さではなく日差しとにわか雨です。とくに夏場、直射日光の下では30分ももちません。タープが一枚あるだけで、滞在できる時間が変わります。
形は、六角形のヘキサタープが扱いやすいです。ポール2本と張り綱で立つので設営が速く、斜めに張れば日の角度に合わせて影を作れます。四角いレクタタープのほうが影の面積は稼げますが、ポールが増えて設営に時間がかかるため、「思い立ったらすぐ出す」という庭キャンプの性格には合いませんでした。
素材は、焚き火をするならポリコットン(TC)を選んでください。ポリエステルやナイロンの化繊タープは軽くて安いのですが、火の粉が当たるとその場で穴が開きます。TCは綿が混ざっているぶん重くて乾きにくい代わりに、火の粉に強い。庭キャンプは重さのデメリットをほぼ受けない(担いで歩かないので)ので、ここはTC一択だと思っています。
ただし、TCは濡れたまましまうとカビます。我が家は焚き火のあと、翌日の昼に庭へ広げ直して乾かしてから片付けています。古民家は湿気との戦いでもあるので、この一手間は省かないほうがいいです(古民家のカビと湿気対策も併せてどうぞ)。
2. 焚き火台:直火は絶対にやめて、台とシートをセットで
庭キャンプの主役はやはり焚き火です。そして直火(地面で直接燃やすこと)は絶対にやめてください。芝は一発で枯れますし、土でも表面の生き物と種が焼けて、そこだけ数年ハゲたままになります。何より、地面の下に根や乾いた腐葉土があると、表面の火が消えたあとも地中でくすぶることがあります。
焚き火台は、庭用なら次の観点で選ぶと外しません。
| タイプ | 特徴 | 庭キャンプ向きか |
|---|---|---|
| 組立式(板を組むタイプ) | 薄く収納できる。毎回組む手間がある | △ 収納性は庭では効きにくい |
| 箱型・皿型(そのまま置くタイプ) | 出してすぐ使える。灰が散りにくい | ◎ 設営が速いので続く |
| 二次燃焼タイプ | 煙が出にくい構造。炎がきれい | ◎ 近隣が近い庭では煙の少なさが正義 |
| 大型・ファミリー型 | 薪をたくさん入れられる | △ 消火に時間がかかり、平日には重い |
意外かもしれませんが、庭キャンプではソロ用の小さい焚き火台がよく働きます。理由は撤収です。大きい台にたっぷり薪を入れると、消えるまで待つ時間が長くなる。翌朝に仕事がある平日の夜、「あと40分待たないと寝られない」は地味につらいです。小さい台なら燃やす量も自然と減り、片付けまで含めて手軽に終わります。物足りなければ週末に大きく焚けばいい、と割り切ってから、庭キャンプの頻度が明らかに上がりました。
薪については田舎の役得があります。我が家は、近所で伐採した木の端材を分けてもらったり、山の持ち主に断ったうえで落ちている枝を拾わせてもらったりしています。ただし他人の山や土地の木は勝手に持ち出せません。必ずひと声かけてください。そして拾った枝は、そのままでは湿っていてまず燃えません。軒下で最低でもワンシーズン乾かしてから使います。薪割りの道具については薪割り斧と電動薪割り機の選び方に書きました。
3. 椅子:腰を痛めた人間が言う「低い椅子」の注意点
ここは、私が一番こだわっているところです。私はこたつでの長時間作業で腰を痛めた前科があり、低い姿勢で長く座ることのリスクを体で知っています。
アウトドアチェアの流行は、ここ数年ずっと「低いこと」でした。座面が地面に近いローチェアは焚き火との目線が合って格好いいのですが、座面が低いほど股関節が深く曲がり、骨盤が後ろに倒れます。この姿勢は、まさに私がこたつでやって腰をやられた姿勢と同じです。庭キャンプは腰を据えて2〜3時間座ることになるので、キャンプ場で1時間座るのとは負荷が違います。
そこで、庭で使う椅子は次の条件で選んでいます。
- 座面が極端に低くないこと。立ち座りが多い庭キャンプでは、低すぎる椅子は毎回の立ち上がりも負担になります
- 背中を預けられる角度があること。もたれずに座り続けると、結局は前かがみになります
- 座面の生地がたわみすぎないこと。ハンモック状に沈み込む椅子は、楽に見えて骨盤が後傾します
- すぐ出せてすぐしまえること。これは全ギア共通の条件です
この条件で使っているのが、ヘリノックスのチェアワン系の軽量チェアです。座面は低めですが極端ではなく、脚のフレームがしっかりしているので沈み込みすぎません。何より数十秒で組めて数十秒でしまえるので、「面倒だから今日はやめとくか」が起きません。腰が心配な日は、背中にクッションを一つ入れるだけでもだいぶ違います。デスクワーク側の腰対策は在宅ワークの腰痛対策にまとめています。
4. ランタン:都会の人が想像する「暗い」より、田舎の夜は暗いです
これは移住して一番驚いたことの一つです。街灯がありません。月が出ていない夜は、庭に出た瞬間に自分の足元すら見えません。ランタンは雰囲気づくりのアイテムではなく、転ばないための装備です。
庭キャンプでは、明かりは2系統に分けるのがおすすめです。
- 雰囲気用の暖色ランタン(テーブルの上に一つ)。焚き火の色と喧嘩しない電球色を選びます
- 実用の白色ライト(撤収時と、何か落としたとき用)。ヘッドライトかスマホでも可
燃料式のガスランタンやオイルランタンは味わいがありますが、庭では扱う火が増えるだけなので、私はLEDに寄せています。ベアボーンズのエジソンランタンのようなレトロデザインのLEDは、雰囲気と安全性の折り合いがつくところが気に入っています。猫がいる家では、倒れても燃えない明かりのほうが圧倒的に気が楽です。
ステップ3:庭キャンプの満足度を一段上げるプラスαギア
焚き火の残り火で作る朝ごはん(ホットサンドメーカー)
庭キャンプで「ここまでやってよかった」と一番思えた瞬間は、実は夜ではなく翌朝でした。前夜の焚き火のおき火がまだ残っているうちに、食パンに冷蔵庫のものを挟んで焼く。パンも具も家から出してくればいいので、キャンプ場のように保冷の心配をしなくていいのが庭の強みです。
直火にかけるなら、鋳物やアルミの直火対応ホットサンドメーカーが向いています。バウルーのような上下が分かれるタイプは、洗うのも楽です。フッ素加工のものは強い直火で傷むことがあるので、焚き火で使うなら加工の弱いシンプルなものを選んでください。
ちなみに、おき火の火力は調整が効かないので、最初は必ず焦がします。私も一枚目は真っ黒にしました。数十秒ごとにひっくり返すくらいの気持ちでちょうどいいです。
虫対策:夏の庭キャンプが失敗する原因の第1位です
はっきり言って、夏の庭キャンプで一番のリスクは雨でも寒さでもなく虫です。とくに日が落ちる前後の1時間、ヤブ蚊が本気を出してきます。この時間帯を虫対策なしで過ごそうとすると、せっかく用意した焚き火を放置して家に逃げ込むことになります(経験談です)。
屋外では、室内向けの蚊取り線香は力不足でした。風で煙が流れてしまうので、濃い煙を出せるものが必要になります。林業や屋外作業で使われるパワー森林香のような屋外用の線香は、そこが違います。使うときは、専用ケースに入れて風上側の足元に置くのがコツです。
加えて、庭キャンプ用に固定しているのが次の運用です。
- 屋外用線香は始める30分前に着火して、場を作っておく
- 長袖・長ズボン。足首は靴下でふさぐ(刺されるのは大体くるぶし周り)
- 水たまり・受け皿・古いバケツを庭から無くす(ボウフラの発生源になります)
- アブが多い時期は、明るい色の服を避ける
アブやブヨまで来る地域の方は、オニヤンマ君は本当に効くのか検証した記事と田舎の虫よけ・ムカデ対策も参考にしてください。庭に出る前提の暮らしでは、虫対策は年間を通じた課題です。
電源:庭キャンプは「家から引ける」が最大の武器
ここも庭ならではです。キャンプ場ならポータブル電源が必須級ですが、庭には家があります。屋外コンセントがあるならそれで十分ですし、無くても防水の延長コードを一本引けば足ります。
とはいえ、ポータブル電源を持っている人は庭キャンプでこそ真価が出ます。というのも、普段使わない防災用のポータブル電源は、点検の機会がないまま劣化していくからです。我が家は庭キャンプのたびにポータブル電源を引っ張り出して、扇風機や照明に使っています。これが実質的な動作確認と充放電のサイクルになっています。停電を2回経験した身としては、この「使いながら備える」形が一番続きます(田舎暮らしにポータブル電源は必須、ポータブル電源で停電を乗り切る)。
ついでに言うと、在宅フリーランスにとって庭は気分転換できる作業場にもなります。私は天気のいい日に、タープの下でノートPCを開いて仕事をすることがあります。ただし庭まで電波が届かないと成立しないので、母屋の端やWi-Fiが弱い家ではメッシュWi-Fiの導入が先です。画面の照り返しとバッテリーの問題があるので、長時間の本気作業には向きませんが、設計を考えるとか、文章の構成を練るといった作業とは相性がいいです。
猫と庭キャンプを楽しむには(ここが一番気を使います)
我が家には保護猫のきなことあんこがいます。完全室内飼いです。庭キャンプをするとき、猫をどうするかは毎回いちばん悩むところでした。
まず大前提:猫を自由に庭へ放さない
庭が広いと「敷地内だから大丈夫だろう」と思いたくなりますが、猫の行動範囲は人間が考える敷地の概念を軽々と超えます。田舎は道路の交通量こそ少ないものの、その分だけ車のスピードが出ますし、野生動物、他所の飼い犬、農薬など、室内とは比べものにならないリスクがあります。一度外の味を覚えると、窓を開けるたびに出たがるようになります。
なので、庭キャンプ中に猫を外気に触れさせたいときは、必ず物理的に囲うことにしています。
メッシュの猫用テント(キャティオ)という折衷案
使っているのは、折りたたみ式のメッシュ猫テントです。組み立ててタープの下に置き、その中に猫を入れます。猫からは焚き火も庭の景色も見えるし、匂いも音も届く。でも出ていけない。この形に落ち着いてから、罪悪感なく庭キャンプができるようになりました。
実際に運用して分かった注意点を挙げておきます。
- 焚き火からは距離を取る。火の粉はメッシュを溶かします。風下には絶対置きません
- 直射日光に置かない。メッシュでも中は熱がこもります。必ずタープの影の中に置きます
- 水を入れておく。外にいると猫も水を飲みます
- 猫の様子を最優先で切り上げる。耳が横を向く、しっぽを膨らませる、鳴き続ける。どれか出たら即、家に戻します。人間の楽しみより猫の安心が上です
- いきなり長時間やらない。最初は10分だけ。慣れる子と、最後まで慣れない子がいます
- ハーネスと迷子札は必ず。テントのファスナーは、開け忘れれば意味がありません
ちなみにきなことあんこでは反応がまったく違いました。片方は初回からメッシュ越しに外を眺めて落ち着いていて、もう片方はしばらく固まっていました。猫の性格差は大きいので、「うちの子は庭キャンプ向きではない」という結論も、まったく正しい結論です。無理をさせないでください。
縁側や玄関からの脱走が心配な方は古民家の猫の脱走防止対策を、猫を連れて外に出ること全般については猫連れキャンプ完全ガイドをどうぞ。夏の暑さ対策は猫の暑さ対策グッズにまとめています。

季節ごとの庭キャンプ:いつが一番いいのか
結論から言うと、庭キャンプのベストシーズンは春の終わりと秋です。夏は虫と暑さ、真冬は寒さで、装備のハードルが跳ね上がります。季節ごとの注意点を表にまとめます。
| 季節 | 良いところ | つらいところ | 追加で要るもの |
|---|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 虫が少なく、焚き火が気持ちいい | 花粉/風が強い日が多い | 防風、ブランケット |
| 梅雨(6月) | 雨音をタープの下で聞ける | 薪が湿る/地面がぬかるむ | 薪の乾燥場所、着火剤 |
| 夏(7〜8月) | 日が長い。夜が最高に涼しい日がある | 虫。とにかく虫 | 屋外用線香、扇風機、長袖 |
| 秋(9〜11月) | 虫が減り、空気が澄む。最良の季節 | 落ち葉が燃えやすい | 火の周りの掃除、上着 |
| 冬(12〜2月) | 焚き火のありがたみが最大 | 背中が冷える/空気が乾いて危険 | 防寒着、消火用の水を多めに |
冬の焚き火は最高に贅沢なのですが、注意が要ります。空気が乾いているうえ、庭の草も枯れていて燃えやすい。火の粉が飛ぶ条件がそろっています。風のある日は本当にやめたほうがいいです。冬の暖のとり方全般は古民家の冬の断熱と暖房に書いています。
私がやらかした失敗5つ(同じ轍を踏まないでください)
- 洗濯物を煙で燻製にした。風下の確認を怠りました。以後、火をつける前に必ず洗濯物と近隣の窓を見ます。
- 拾ってきた枝が湿っていて、まったく燃えなかった。その日は焚き火をあきらめました。木は切ってから乾くまでに時間がかかります。拾った枝はすぐ使わず、軒下にストックしておく運用に変えました。
- タープを濡れたまま袋にしまった。次に出したときの匂いで青ざめました。TCは特に乾かしてから。
- 灰の処理を軽く見た。見た目に火が消えていても、灰の中の炭はしつこく熱を持っています。金属のバケツに移し、水をかけて完全に冷ましてから捨てるようにしました。プラスチックのバケツは溶けます。
- 猫を長く外に出しすぎた。楽しくなって、メッシュテントに入れたまま予定より長くいさせてしまい、明らかにストレスを与えました。猫の時間は人間の時間より短く区切る、と決めています。
撤収:庭キャンプを続けられるかは「片付けの設計」で決まります
ここが一番地味で、一番大事です。最初のうちは楽しさで押し切れますが、3回目くらいから片付けの面倒さが勝ち始めます。我が家が続けられているのは、次の形にしたからです。
- ギアを一箱にまとめる。コンテナ一つに「庭キャンプ一式」を入れて、玄関土間に置いています。出すのが一動作
- 焚き火は寝る時間から逆算する。最後の薪を入れる時刻を先に決めます。これだけで撤収が読めます
- 灰は金属バケツへ。水をかけて完全に冷ましてから処分します(自治体のごみ区分に従ってください)
- 濡れたものは翌日に干す。その日のうちに完璧にしまおうとしない。これが一番の挫折ポイントです
- 食器は家のシンクで洗う。庭キャンプの特権です。外で無理に洗わない

よくある質問(FAQ)
Q. 自宅の庭で焚き火をしても法律上問題ないですか?
A. 廃棄物の野外焼却は法律で原則禁止されており、そのうえで自治体ごとの条例や運用があります。レジャーとしての焚き火が認められる地域でも、風の強い日を避ける、消火用の水を用意する、煙で近隣に迷惑をかけないといった条件が付くのが一般的です。お住まいの自治体・消防署に直接電話して確認してください。ネットの一般論ではなく、その土地の答えが必要です。
Q. 庭キャンプに最初に買うべきものを1つだけ挙げるなら?
A. タープです。日差しとにわか雨をしのげるかどうかで、庭に滞在できる時間が変わります。焚き火台よりも先で構いません。焚き火は火の確認が済んでから始めればいいですが、タープは確認なしで今日から使えます。
Q. テントは要りますか?
A. 庭キャンプなら急ぎません。家で寝られるからです。テントは「キャンプ場にも行くようになったら」「子どもが泊まりたがったら」で十分間に合います。先にタープ・焚き火台・椅子・明かりをそろえるほうが、体験の質は確実に上がります。
Q. マンションのベランダでもできますか?
A. 焚き火は避けてください。多くのマンションで規約上も禁止されていますし、避難経路でもあります。ランタンと食事だけの「ベランピング」であれば可能ですが、煙と匂いが出る調理も含めて、まず管理規約の確認を強くおすすめします。この記事は一戸建ての庭を前提に書いています。
Q. 近所からクレームが来ないか心配です。
A. 心配するのは正しい感覚です。効くのは3つで、煙の少ない焚き火台を使うこと、風下に洗濯物や開いた窓がないか毎回確認すること、そして事前にひと言伝えておくことです。「たまに庭で焚き火をします、煙が行ったら言ってください」と先に言っておくと、相手の受け取り方がまったく変わります。田舎では、この先回りが何よりの防御になります。
Q. 猫を庭キャンプに参加させても大丈夫ですか?
A. 完全室内飼いの猫を自由に放すのはおすすめしません。メッシュの猫用テントやハーネスで物理的に囲ったうえで、短時間だけにしてください。焚き火からは離し、必ず日陰に置き、少しでも嫌がる素振りがあればすぐ室内に戻します。そもそも外が苦手な猫もいます。その場合は、窓越しに眺めてもらうのが正解です。
Q. 薪はどこで手に入れますか?
A. ホームセンターやキャンプ用品店で買えるほか、地域によっては伐採した木の端材を分けてもらえることがあります。ただし他人の山や土地の木を勝手に持ち出すのは不可です。必ず所有者に確認してください。拾った生木はすぐには燃えないので、軒下などで十分に乾かしてから使います。
Q. 雨の日はどうしていますか?
A. 潔くやめます。これが庭キャンプ最大の贅沢です。予約もキャンセル料もないので、判断に迷う理由がありません。小雨ならタープの下で焚き火の代わりにランタンを灯して、雨音を聞きながらコーヒーを飲むだけでも十分成立します。
Q. 一人でやっても楽しいですか?
A. 私はむしろ一人のほうが多いです。在宅フリーランスは一日じゅう画面を見ているので、火を眺めるだけの時間が効きます。人と会う予定を立てなくても、椅子を出して火をつけるだけで気分が切り替わる。この手軽さが、庭キャンプを続けられる最大の理由です。
まとめ:庭キャンプは「予約のいらないキャンプ」です
もう一度、最初の3ステップを置いておきます。
- 火を焚いてよいかを、自治体・消防署に電話で確認する。ここが出発点です
- タープ・焚き火台・椅子・明かりの4点からそろえる。テントは後回しで構いません
- 猫と近隣の段取りを先に決める。脱走対策と、煙の方向。この2つです
庭キャンプの本当の価値は、道具の豪華さではなく「思い立った日にできること」にあると思っています。予約も渋滞も撤収の締め切りもなく、忘れ物をしたら家に取りに戻ればいい。雨なら中止でいい。猫を長時間ひとりにしなくていい。これは、キャンプ場では絶対に手に入らない自由です。
田舎に移住して手に入れたものはいくつもありますが、「家のすぐ外に、予約のいらないキャンプ場がある」というのは、想像していた以上に暮らしを豊かにしてくれました。この記事が、あなたの庭で最初の一回を始めるきっかけになればうれしいです。

