話題のオニヤンマ君は本当に効く?田舎のヤブ蚊・アブ対策グッズを徹底検証してみた

田舎暮らし

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ゆう nekoice.net 筆者アイコン

ゆう(nekoice.net 筆者)

25歳。田舎の古民家で保護猫のきなこ・あんこと暮らす、在宅フリーランスエンジニア。在宅歴3年目。こたつ作業で腰を痛めた経験から作業環境を本気で見直し、生産性・月収ともに改善。田舎暮らし・フリーランス・猫との日常に加え、地元のおばあちゃんから受け継いだ生活の知恵もリアルに発信中。

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田舎暮らし3年目・猫と暮らすフリーランスエンジニアが、実体験に基づいて執筆しています。オニヤンマ君は2シーズン(のべ8か月)、帽子・軒下・物干し竿の3か所で使い、アブ・ヤブ蚊それぞれへの体感差を記録しました。効かなかった場面もそのまま書いています。

「オニヤンマ君って、本当にアブに効くの?」——草刈りのたびにアブに追い回されている人ほど、この疑問にたどり着くと思います。私も同じ入り口でした。

結論から先に書きます。アブ対策としてのオニヤンマ君は、私の環境では効きませんでした。ヤブ蚊には体感で少し効いた気がする程度、アブに対してはほぼ手応えゼロ。それでも「無意味」と切り捨てるつもりはなくて、オニヤンマがアブの天敵であること自体は事実で、効く条件と効かない条件がはっきり分かれるグッズだ、というのが2シーズン使った今の理解です。

この記事では、アブ対策としてオニヤンマ君を検討している人向けに、①アブの天敵がオニヤンマである理由、②実際に吊るして試した位置・高さ・本数と体感差、③効く相手/効かない相手の一覧、④併用したグッズのうち本当にアブに効いたのはどれだったか——を、失敗も含めて正直に書きます。

田舎の庭でキャンプする猫

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    1. ゆう(nekoice.net 筆者)
  1. 結論:アブ対策にオニヤンマ君は「効かなかった」。効いた相手はヤブ蚊だった
  2. そもそもオニヤンマ君とは何か
    1. オニヤンマの天敵効果を利用した虫除けグッズ
    2. 実際に1シーズン使った感想
  3. アブの天敵はオニヤンマ|「アブよけ」にトンボの模型が使われる理由
    1. オニヤンマがアブを捕食するのは本当
    2. 本物の天敵と「擬態」の差|アブがオニヤンマ君を無視した理由
    3. アブの天敵はオニヤンマだけではない
  4. アブ対策でオニヤンマ君を試した記録|吊るす位置・高さ・本数
    1. パターン1:帽子に1個(草刈り・庭仕事)
    2. パターン2:軒下に3個(高さ2m・1mおき)
    3. パターン3:物干し竿の両端に2個(高さ1.5m)
    4. 本数を増やしても比例して効くわけではなかった
  5. オニヤンマ君は誰に効いて誰に効かないか|アブ・ヤブ蚊・ブユ・ハチの一覧
  6. オニヤンマ君の耐久性|雨・直射日光で何ヶ月もったか
  7. 本当に効く!田舎の虫除けグッズTOP5
    1. 第1位:パワー森林香(アブ対策で唯一はっきり効いた)
    2. 第2位:おにやんま君 + 虫除けネット(ダブル使い)
    3. 第3位:イカリジン配合の虫除けスプレー
    4. 第4位:ハッカ油スプレー(自作)
    5. 第5位:電撃殺虫器(屋外用)
  8. アブ対策に使う虫よけ剤の有効成分と濃度|ディートとイカリジンを国の公表資料で確かめる
    1. 効能・効果に「アブ」が明記されているのはディート30%とイカリジン15%
    2. 濃度ごとの効果持続時間|2024年に示されたマトリックス
    3. ディートの年齢制限と1日の使用回数|12歳未満は濃度で扱いが変わります
    4. この持続時間は「蚊」で測った数字です|アブへの持続時間は記載が無い
    5. 公的な注意喚起には「虫除けスプレーもほとんど効かない」と書かれている
    6. 成分名のレベルでの線引き|猫がいる家で注意する成分とは別物です
    7. 虫よけ剤の成分・濃度で参照した公表ページ(全URL)
  9. アブ対策の併用比較|オニヤンマ君・森林香・ネット・服の色を並べて評価する
    1. 服の色を黒からベージュに変えたら、まとわりつきが減った
    2. いちばん効いたのはパワー森林香だった(正直に書く)
  10. アブが出る時期・時間帯・場所|田舎3年で分かった範囲
  11. アブ対策の前提|人を刺すアブの種類・発生期・活動条件を公表データで確かめる
    1. 吸血するのはメスだけ|日本のアブは「約100種」と記録されている
    2. 種類別の発生期と活動時間|公表資料に書いてある範囲だけ並べた表
    3. アブの活動が盛んになる気温・湿度・明るさ|数値が書かれている唯一の資料
    4. うちの3年の記録と公表データを並べる|合っていた点とずれていた点
    5. アブの種類・発生期で参照した公表ページ(全URL)
  12. 猫がいる家庭で絶対NGの虫除け
    1. ピレスロイド系は猫に危険
  13. よくある質問(FAQ)
    1. Q. アブ対策としてオニヤンマ君は効きますか?
    2. Q. 何個吊るせばアブに効きますか?
    3. Q. 吊るす高さや位置にコツはありますか?
    4. Q. オニヤンマ君は何年もちますか?
    5. Q. 本物のオニヤンマがいる場所ならアブは減りますか?
    6. Q. 猫がいる家でも使えますか?
    7. Q. ブユ(ブヨ)やハチには効きますか?
    8. Q. 試していないことはありますか?
  14. まとめ:オニヤンマ君は「補助的」に使うのがベスト
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結論:アブ対策にオニヤンマ君は「効かなかった」。効いた相手はヤブ蚊だった

先に全体像を出します。2シーズン使ってみて、私の家(山際の古民家・裏がすぐ雑木林・近くに用水路)での体感はこうでした。

  • アブ:ほぼ効果なし。オニヤンマ君を帽子に付けていても、真横をかすめて顔に突っ込んできます
  • ヤブ蚊:体感で少し減った。ただし「刺されなくなった」わけではない
  • ブユ(ブヨ):効果を感じませんでした。足首は相変わらずやられます
  • ハチ(スズメバチ・アシナガバチ):まったく無関係。巣が近いときは何を吊るしても無意味です

つまり、「アブ 対策 オニヤンマ」で検索してここに来た人にとって、オニヤンマ君は第一選択にならないというのが私の結論です。じゃあ何が効いたのか、という話は後半の比較表で書きます。

そもそもオニヤンマ君とは何か

そもそもオニヤンマ君とは何か|話題のオニヤンマ君は本当に効く?田舎のヤブ蚊・アブ対策グッズを徹底検証してみた

オニヤンマの天敵効果を利用した虫除けグッズ

オニヤンマ君は、日本最大のトンボ「オニヤンマ」を模したフィギュア型の虫除けグッズです。オニヤンマは蚊やアブを捕食する天敵なので、その姿を見せることで虫が近づかなくなるという理屈。帽子やリュックにクリップで装着して使います。

化学薬品を使わないので、猫を飼っている家庭でも安心なのが最大のメリット。ディート入りの虫除けスプレーは猫に有害な可能性があるので、自然派の虫除けは本当にありがたいです。うちは保護猫のきなこ・あんこが土間から庭に出るので、庭でスプレーを撒き散らす対策は最初から選択肢に入れていません。その意味で「薬剤を使わない虫よけ」を探す動機は、猫飼いとしてかなり強いです。

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実際に1シーズン使った感想

6月〜9月の4ヶ月間、帽子にオニヤンマ君を装着して毎日庭仕事や散歩をしました。結果:

  • ヤブ蚊:体感で3割ほど減った気がする(完全には防げない)
  • アブ:ほぼ効果なし。アブはオニヤンマ君を無視して突っ込んでくる
  • ハエ:若干減った印象
  • スズメバチ:近くに巣がある場合は効果ゼロ

正直、これだけで夏を乗り切るのは無理です。でも「化学物質なしでちょっとでも虫を減らしたい」という方にはアリな選択肢です。

アブの天敵はオニヤンマ|「アブよけ」にトンボの模型が使われる理由

オニヤンマがアブを捕食するのは本当

ここは商品の話ではなく、生き物の話です。オニヤンマは体長10cm前後になる日本最大のトンボで、飛びながら他の飛翔昆虫を空中で捕らえて食べます。獲物の中にアブ・ハエ・蚊が含まれるのは事実で、「アブの天敵」としてオニヤンマの名前が挙がるのはここに根拠があります。

うちの前を流れる用水路沿いには、7月後半から本物のオニヤンマが巡回コースのように行ったり来たりします。同じルートを何度も往復するのが特徴で、これは縄張りを見回っているからだと聞きました。地元のおばあちゃんは昔から「ヤンマが飛んどる日は刺されん」と言っていて、体感としては確かに、オニヤンマが目の前を横切ったあとしばらくはアブがいなくなる時間帯があります。ただし、これは本物が実際にアブを食べて減らしているからであって、姿を見せているからではない、というのが私の見立てです。

本物の天敵と「擬態」の差|アブがオニヤンマ君を無視した理由

オニヤンマ君のような模型が効くとしたら、理屈は「天敵に見えるので逃げる」。でも実際に使ってみると、アブは模型を認識していないか、認識しても気にしていないように見えました。

思い当たる理由を並べると、こうです(あくまで私の観察と推測で、検証実験をしたわけではありません)。

  • 動かない:本物のオニヤンマは高速で飛び回ります。帽子に固定された模型は動かないので、飛翔する捕食者としての手がかりが足りない
  • アブは視覚より二酸化炭素・体温・汗の匂いで寄ってくる:私が汗だくで草刈りをしていると、模型の有無に関係なく寄ってきます
  • アブの吸血個体はメスで、産卵のために必死:多少のリスクでは引き下がらない、という印象を受けました

逆に、ヤブ蚊にわずかに効いた気がするのは、蚊のほうが警戒が強く、飛び方も遅く、少しの違和感でコースを変えるからかもしれません。ここは「効いた気がする」以上のことは言えません。数えて比べたわけではないので、プラセボの可能性を私は否定できません。

アブの天敵はオニヤンマだけではない

「アブの天敵」で調べるとオニヤンマばかり出てきますが、田舎で実際に見ているとほかにもいます。

  • シオヤアブ:アブという名前ですが肉食で、他の虫を捕らえて体液を吸います。庭の物干し竿によく止まっています
  • ツバメ・セキレイ:夕方、低空を飛び回って虫を食べています。軒下にツバメが巣を作った年は、虫が少なかった気がします
  • クモ(ジョロウグモ):秋口の巣にアブがかかっているのを何度も見ました

つまり、アブを減らしたいなら模型を吊るすより、天敵が住める環境を壊さないほうが効くというのが、3年住んで思ったことです。ただしこれは即効性のある対策ではないので、明日の草刈りの役には立ちません。

アブ対策でオニヤンマ君を試した記録|吊るす位置・高さ・本数

「使い方が悪いだけでは?」と自分でも思ったので、置き方を変えて試しました。ここが一次情報として一番価値がある部分だと思うので、細かく書きます。

パターン1:帽子に1個(草刈り・庭仕事)

いちばん定番の使い方。麦わら帽子のつばにクリップで固定しました。結果はアブには無力。刈払機を回していると、エンジン音と体温と汗に引き寄せられて、10分もすればアブが2〜3匹まとわりつきます。オニヤンマ君のすぐ横をホバリングされたときは、さすがに笑ってしまいました。

副作用として、帽子の重心が前に寄って首が疲れます。私はこたつ作業で腰と首を痛めた前科があるので、長時間の作業ではこの数十グラムが地味に効きます。

パターン2:軒下に3個(高さ2m・1mおき)

玄関から物干しまでの動線の上、高さ2mくらいのところに3個ぶら下げて2週間放置しました。アブの数は体感で変わらず。洗濯物を干しに出るとやはり寄ってきます。ヤブ蚊については、玄関先で立ち話をしているときに刺される回数が少し減った気はしましたが、同じ期間に草を刈って風通しを良くしているので、どちらの効果かは切り分けられていません。

パターン3:物干し竿の両端に2個(高さ1.5m)

洗濯物にカメムシが付くのを減らしたくて試した配置です。カメムシには効きませんでした。アブについても変化なし。ただ、風で揺れる位置に吊るしたときだけ、蚊が寄る密度が少し下がった印象がありました。動きが重要という仮説を後押しする観察ですが、n=1の印象です。

本数を増やしても比例して効くわけではなかった

1個→3個に増やしても、アブに関しては手応えが1ミリも変わりませんでした。「たくさん吊るせば効く」という話をSNSで見ますが、少なくとも私の庭では、本数はアブ対策の変数になりませんでした。増やすならお金をパワー森林香に回したほうがよかった、というのが正直な感想です。

オニヤンマ君は誰に効いて誰に効かないか|アブ・ヤブ蚊・ブユ・ハチの一覧

2シーズン使った体感を表にまとめます。★は私の主観評価で、測定値ではありません。

相手 オニヤンマ君の体感効果 出る場所・時間(うちの場合) 私が実際に効いた対策
アブ ★☆☆☆☆(効果を感じず) 7〜8月の日中、晴れた日の草地・川沿い パワー森林香+明るい色の長袖
ヤブ蚊 ★★☆☆☆(少し減った気がする) 朝夕、日陰・藪・物置の裏 イカリジンスプレー+森林香
ブユ(ブヨ) ★☆☆☆☆(効果を感じず) 早朝と夕方、用水路沿い・足元 長靴+足首を出さない(物理)
ハチ(スズメバチ等) ☆☆☆☆☆(無関係) 秋、軒下・床下・生垣 近づかない/巣は業者へ
ハエ ★★☆☆☆(若干減った印象) 通年、土間・勝手口 網戸の補修+こまめな清掃
カメムシ ☆☆☆☆☆(効果なし) 10〜11月、洗濯物・窓枠 室内干しに切り替え

表にして改めて分かるのは、オニヤンマ君が「アブの天敵」を名乗っている割に、アブに対しては私の環境で最も効かなかったということです。ここを正直に書いている記事が少ないので、あえて残します。

オニヤンマ君の耐久性|雨・直射日光で何ヶ月もったか

買う前に知りたかったので書いておきます。

  • 屋外に出しっぱなしの個体(軒下・3個):1シーズン(6〜9月)で羽根のフィルムが白く曇り、翌年の春には触ると端が欠けました。屋外常設は実質1シーズンだと思っておいたほうがいいです
  • 帽子に付けて作業のたびに屋内へ戻した個体:2シーズン目も形は保っています。色は少し褪せました
  • 風:台風前の強風で1個だけ紐が切れて飛んでいき、見つかりませんでした。田んぼに落ちたのだと思います

雨そのものより、紫外線で樹脂と紐が劣化するのが早いという印象です。屋外に吊るす運用なら「消耗品」と割り切る必要があります。私は初年度に「一度買えばずっと使える」と思っていたので、そこは誤算でした。

本当に効く!田舎の虫除けグッズTOP5

本当に効く!田舎の虫除けグッズTOP5の要点を整理した図

第1位:パワー森林香(アブ対策で唯一はっきり効いた)

プロの林業従事者が使う、超強力な蚊取り線香です。一般的な蚊取り線香の約10倍の煙量。屋外作業中に足元に置いておくと、蚊もアブもほとんど寄ってきません。

私の2シーズンの中で、アブ対策として明確に差が出たのはこれだけでした。刈払機の柄に携帯防虫器を吊るして草を刈った日と、何も焚かずに刈った日を比べると、まとわりつくアブの数がはっきり違います。煙が途切れる風下側では寄ってくるので、風向きを見て置き場所を変えるのがコツです。

ただし煙が強烈なので、室内使用は不向き。猫がいる部屋では絶対に使わないでください。屋外・テラスでの使用がベストです。うちは風向きを見て、猫が出入りする土間に煙が流れない位置に置いています。

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第2位:おにやんま君 + 虫除けネット(ダブル使い)

オニヤンマ君単体だと心もとないですが、防虫ネット付きの帽子と組み合わせると効果抜群。物理的にガードしつつ、心理的にも虫を遠ざける最強コンビです。

補足すると、アブに対して効いているのはネットのほうです。顔まわりに物理的な壁があると、アブがどれだけ寄ってきても刺されません。視界が少し暗くなるのと、暑い日は蒸れるのが難点ですが、アブの季節に草刈りをするなら私はネットを最優先で勧めます。

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第3位:イカリジン配合の虫除けスプレー

ディートに代わる成分「イカリジン」は、肌への刺激が少なく、猫への安全性もディートより高いとされています。効果時間も8時間と長持ち。天使のスキンベープがコスパ最強です。

アブに対しては「刺されにくくなるが、寄ってはくる」という感触でした。蚊とブユには十分効きます。汗で流れるので、炎天下の作業では2〜3時間おきに塗り直しています。猫を抱く前には手を洗う、というのを習慣にしています。

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第4位:ハッカ油スプレー(自作)

ハッカ油+水+無水エタノールで作る自作の虫除けスプレーです。猫にハッカ油は危険なので、猫に直接使用するのはNGですが、自分の衣服に吹きかける分には問題ありません。蚊やブヨに効果があり、爽やかな香りで気分もリフレッシュ。

アブについては、吹きかけた直後の20〜30分だけ寄りが減り、そのあとは元どおりでした。匂いが飛ぶのが早いので、アブ対策の主力にはなりません。作業の合間に首筋の汗を拭いてシャツに吹き直す、という使い方に落ち着いています。猫が室内にいるときは室内で噴霧しない、という点だけは徹底してください。

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第5位:電撃殺虫器(屋外用)

紫外線で虫を誘引して電撃で駆除する装置。テラスや玄関先に設置すると、夜間の蛾やカメムシを大量に駆除してくれます。薬剤不要で猫にも安全。

ただしアブ対策としては期待しないでください。アブは日中に活動するので、夜間に光で誘引するこの装置とは活動時間が噛み合いません。うちでは夏の夜の蛾対策として置いています。

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アブ対策に使う虫よけ剤の有効成分と濃度|ディートとイカリジンを国の公表資料で確かめる

上のTOP5で第3位にイカリジン配合の虫除けスプレーを挙げました。ただ、あのとき私は「濃度」を見ずに買っていました。虫よけ剤は成分名が同じでも濃度で効能も持続時間も年齢制限も変わる医薬品・医薬部外品です。そこは体感で書くところではないので、厚生労働省の通知を読んで数値を取りました。以下、出典のURLをすべて出します。

効能・効果に「アブ」が明記されているのはディート30%とイカリジン15%

厚生労働省の「防除用医薬品及び防除用医薬部外品の製造販売承認申請に係る手続きについて」(平成28年6月15日 薬生審査発0615第1号)の別添に、迅速審査の対象となる高濃度製剤の効能又は効果がそのまま書かれています。ここに「アブ」が入っているかどうかが、この記事の読者にはいちばん大事なところだと思います。

有効成分・濃度 効能又は効果(通知の記載そのまま) アブの記載 1回使用の忌避効果の持続時間 小児についての記載
ディート 30%(原液中濃度) 蚊、ブユ(ブヨ)、アブ、ノミ、イエダニ、マダニ、サシバエ、トコジラミ(ナンキンムシ)、ツツガムシの忌避 あり 概ね5〜8時間 「本品はディート濃度が高いので、12歳未満の小児には使用しないこと」
イカリジン 15%(原液中濃度) 蚊成虫、ブユ(ブヨ)、アブ、マダニの忌避 あり 概ね6〜8時間 年齢の下限は記載が無い。代わりに「保護者等が噴射物を吸い込まないように注意して使用するか、保護者等が自分の手にスプレーしたあとで子供に塗布する」「子供の手には塗布しないこと(目をこすったり、舐めたりする恐れがあるため)」

使い方の指定も通知に書かれています。イカリジン15%製剤の用法・用量は「肌から約10cm離して、適量を肌の露出面にまんべんなくスプレーする。顔、首筋には、手のひらに一度スプレーしてから肌に塗布する」。エアゾール剤については「同じ箇所に連続して3秒以上噴霧しないように注意すること」とあります。私は草刈り前にふくらはぎへ長々と吹き付けていたので、これは完全にやり方を間違えていました。

濃度ごとの効果持続時間|2024年に示されたマトリックス

「濃度が高いほうが長持ちする」は何となく知られていますが、何%で何時間なのかが公表されているのは知りませんでした。厚生労働省の「人体に直接使用される忌避剤の忌避効果持続時間の表示について」(令和6年=2024年12月11日 医薬薬審発1211第7号)の別紙、日本家庭用殺虫剤工業会「人体用忌避剤の持続時間表示に係る自主基準」に、表示の根拠として使えるマトリックスが載っています。

成分 濃度 効果持続時間
ディート 5%以上10%未満 1〜3時間
10%、12% 3〜5時間
30% 5〜8時間
イカリジン 5% 6時間まで
15% 6〜8時間

実務的な意味はこうです。夏の草刈りを午前6時に始めて昼前に終える4〜5時間の作業なら、ディート5〜10%未満(1〜3時間)では途中で切れる計算になります。私がうっかり買っていたのは低濃度のものでしたから、「昼になると効かなくなる」と感じていたのは製品のせいではなく濃度の選び間違いでした。濃度は製品の容器や添付文書に明記することが義務づけられています(平成17年の通知で「製品、その包装及び添付文書に、承認書に記載のディート濃度を明記すること」とされました)ので、買うときに必ずパーセント表示を見てください。

ディートの年齢制限と1日の使用回数|12歳未満は濃度で扱いが変わります

子どもや、猫のほかに小さい家族がいる家ではここが一番気になるところだと思います。年齢と回数の目安は、厚生労働省「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」(平成17年8月24日 薬食安発第0824003号)に書かれています。カナダの記載を参考にしたものだと通知の検討結果にも明記されています。

成分・濃度 対象 1日の使用回数の目安 出典
ディート
(30%未満の一般用医薬品・医薬部外品)
6か月未満の乳児 使用しないこと 平成17年8月24日 薬食安発第0824003号
6か月以上2歳未満 1日1回
2歳以上12歳未満 1日1〜3回
ディート 30% 12歳未満の小児 使用しないこと(「本品はディート濃度が高いので」) 平成28年6月28日事務連絡(Q&A)
イカリジン 15% — 年齢の下限・回数の上限はいずれも記載が無い(子供に使う場合の塗り方の注意のみ) 平成28年6月28日事務連絡(Q&A)

12歳未満に使う場合は「保護者等の指導監督の下で」使い、「顔には使用しないこと」とも書かれています。それから、通知には「漫然な使用を避け、蚊、ブユ(ブヨ)等が多い戸外での使用等、必要な場合にのみ使用すること」という一文があります。ここに挙がっているのは蚊とブユで、アブは例示に入っていません。効能・効果の欄にはアブがあるのに注意書きの例示には無い、という細かい差ですが、資料に書いてあるとおりに写しておきます。

もう一つ正直に書くと、市販されているイカリジン10%前後の製品は、上のマトリックスに該当する濃度の記載がありません。マトリックスに載っているのはイカリジンが5%と15%だけです。10%品の持続時間は、各社が試験結果にもとづいて承認を取った数字が容器に書かれているはずなので、製品の表示を読んでください。公表資料に無い数字を私がここで埋めることはしません。

この持続時間は「蚊」で測った数字です|アブへの持続時間は記載が無い

ここは誤解したくないので、資料に書いてあるとおりに書きます。上のマトリックスの根拠になっている試験法は、同じ自主基準の別添「人体用忌避剤の持続時間表示に係る試験法」です。そこにはこうあります。

  • 試験には研究室で継代飼育しているヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の未吸血の雌成虫を用いる
  • 処理した手と処理していない手をケージに入れ、係留した蚊の数から忌避率を算出する
  • 忌避率90%以上が得られる持続時間を求める
  • 試験中は室温23〜29℃前後、湿度40〜80%RHに維持する

つまり「5〜8時間」「6〜8時間」はヒトスジシマカ(蚊)に対する数字で、アブに対する持続時間は公表資料に記載がありません。承認申請で求められる有効性の資料も、通知には「蚊成虫に対する効力に関する資料」と書かれています。効能・効果の欄にはアブが入っているのに、時間の裏付けは蚊でしか公表されていない——ここが調べてみていちばん意外だった点です。

だから、アブに対して「イカリジン15%を塗ったから8時間は大丈夫」とは言えません。私の体感でも、アブに関してはスプレーの効き目はあてにならず、はっきり効いたのはパワー森林香と物理的な遮断(ネット帽子・明るい長袖)でした。公表データの側から見ても、アブ対策でスプレーを主役にしないほうが筋が通ります。

公的な注意喚起には「虫除けスプレーもほとんど効かない」と書かれている

もう一つ、食い違いをそのまま書いておきます。国の通知は効能・効果にアブを入れています。ところが現地の自治体の注意喚起はこうです。石川県白山自然保護センター 中宮展示館の自然情報は、イヨシロオビアブ(オロロ)について「虫除けスプレーもほとんど効かないのですが、対抗策としては」と書いてから、①朝夕を避ける時間の工夫、②黒・濃紺など濃い色の衣服を避ける、③車の窓を閉めるタイミング、④停車後しばらく車内で待つ、⑤刺されたらポイズンリムーバー等で吸い出す——という順で5項目を挙げています。薬剤より先に時間・色・行動を挙げているのです。

この並び順は、私が1シーズン失敗してたどり着いた結論(朝6〜8時に作業する、明るい長袖、ネット帽子)とほとんど同じでした。オニヤンマ君に期待して他を後回しにした私のやり方が遠回りだったことが、公的な文書の側からも裏付けられた形です。

成分名のレベルでの線引き|猫がいる家で注意する成分とは別物です

後ろの「猫がいる家庭で絶対NGの虫除け」で扱っているのはピレスロイド系の殺虫成分の話です。この章のディートとイカリジンは、虫を殺す成分ではなく人の皮膚に塗って寄せつけない忌避剤で、系統がそもそも違います。ただし「猫がいる家でも安全」と書いてある公表資料は見つけられませんでした。通知で定められている用途は「人の皮膚に直接使用する」ことだけで、猫への使用や猫がいる室内での安全性に関する記載はありません。無かったものを「大丈夫」に読み替えないのがこの記事の方針なので、ここは線引きだけにしておきます。私は屋外で塗って、帰ってきたら手足を洗ってからきなこ・あんこに触ります。

虫よけ剤の成分・濃度で参照した公表ページ(全URL)

なお、ディート30%製剤・イカリジン15%製剤について「アブに対する忌避率」や「アブに対する持続時間」を示した国の公表資料は、探した範囲では見つけられませんでした。見つけられなかったので書きません。もし今後公表されたら、この章に数字を足します。

アブ対策の併用比較|オニヤンマ君・森林香・ネット・服の色を並べて評価する

「結局アブには何が効くのか」を一枚にまとめます。費用は私が実際に払った概算で、時期や販売店によって変わります。

対策 アブへの体感 持続 猫がいる家での可否 私の評価
オニヤンマ君 ★☆☆☆☆ 屋外常設で約1シーズン ◎(薬剤ゼロ) アブ狙いでは勧めない。ヤブ蚊の補助なら
パワー森林香 ★★★★★ 1巻で数時間 △(屋外のみ・風向き要注意) アブ対策の本命。ここから買うべき
防虫ネット帽子 ★★★★☆ 数年(破れるまで) ◎(薬剤ゼロ) 刺されない確実性なら最強。蒸れる
イカリジンスプレー ★★★☆☆ 2〜3時間(汗で短縮) ○(塗った手で触らない) 蚊・ブユには十分。アブは寄ってはくる
ハッカ油スプレー ★★☆☆☆ 20〜30分 ×(猫に有害。室内噴霧はNG) 短時間の気休め。主力にはならない
服の色を明るくする ★★★☆☆ 着ている間ずっと ◎(費用ゼロ) タダなのに効いた。最初にやるべき
電撃殺虫器 ☆☆☆☆☆ 充電式で一晩 ◎(薬剤ゼロ) 夜の蛾用。アブとは活動時間が違う

服の色を黒からベージュに変えたら、まとわりつきが減った

費用ゼロの対策で、いちばん驚いたのがこれです。それまで私は黒い作業Tシャツを着ていました。黒は汚れが目立たないので楽なんです。ところが、義父に「アブは黒いものに寄る」と言われてベージュの長袖に変えたところ、まとわりつく数が明らかに減りました。厳密に数えたわけではありませんが、「顔の周りをずっと回られる」という不快感が半分以下になった感覚です。

牛や馬などの黒っぽい大型動物を吸血対象にしているから、という説明を聞きました。真偽を自分で検証する手段はありませんが、着替えるだけでタダなので、オニヤンマ君を買う前にまずこれを試してほしいと思います。

いちばん効いたのはパワー森林香だった(正直に書く)

この記事はオニヤンマ君の検証記事ですが、アブ対策という一点で見れば、私の答えは「森林香+明るい長袖+ネット帽子」です。オニヤンマ君は、この3つを揃えたうえで「薬剤を使いたくない場面の足し」として付ける位置づけになりました。

逆に言えば、オニヤンマ君に期待して他の対策を後回しにすると、私のように「効かないじゃないか」と言うことになります。そこは最初に知りたかったので、この記事に残しておきます。

アブが出る時期・時間帯・場所|田舎3年で分かった範囲

対策グッズより先に、アブと出会わない時間に作業するほうが確実です。うち(山際の古民家)で3年観察した限りでは、こうでした。

  • 時期:7月中旬〜8月末がピーク。お盆前後がいちばんひどい
  • 時間帯:午前10時〜午後3時ごろの、日が高くて暑い時間
  • 天気:晴れて風のない日。曇りや小雨の日は明らかに少ない
  • 場所:川沿い・用水路沿い・牛のいる畜舎の近く・草が伸びた休耕田

なので、夏の草刈りは朝6〜8時にやるようにしました。これだけでアブに追い回される回数が激減します。ただし早朝はブユ(ブヨ)の時間帯でもあるので、足首を出さない格好は必須です。在宅フリーランスで時間の融通が利くのは、こういうときに効いてきます。会社員時代なら「休日の昼にやるしかない」でアブの直撃コースでした。

刺されてしまったときの話も一つだけ。アブに刺された(正確には噛まれた)跡は、蚊と違って出血して腫れます。私は流水で洗って冷やし、市販の抗ヒスタミン外用薬を塗るようにしています。腫れが引かない・熱を持つ場合は自己判断せず皮膚科へ行ってください。これは素人判断で粘って悪化させた経験からの反省です。

アブ対策の前提|人を刺すアブの種類・発生期・活動条件を公表データで確かめる

ここまでは全部「うちの庭で起きたこと」です。ただ、アブ対策を調べている人が本当に困るのは私の体感ではなく、自分の地域では、いつ・何時ごろ・どの種類を相手にするのかが分からないことだと思います。そこで、自治体と公的な研究機関が公表しているページを実際に開いて、数字が書いてあるものだけを拾いました。読んだページのURLはこの章の最後に全部並べます。推測で埋めた数字は一つも入れていません。

吸血するのはメスだけ|日本のアブは「約100種」と記録されている

名古屋市衛生研究所の「身の回りの『むし』たち web昆虫図鑑」のアブ類のページには、こう書かれています。

  • アブ科(学名 Tabanidae)は中型ないし大型の昆虫で、日本から約100種が記録されている
  • 大部分は吸血性で、おもに大型哺乳類を襲う
  • カ類など他の双翅類と同様に、雌のみが吸血する(産卵のために必要な栄養を摂るためと考えられる)
  • 幼虫はウジ虫型で、小川・水田・湖沼・湿地などに生息し、肉食性で小動物を捕食する
  • イヨシロオビアブ、シロフアブ、ゴマフアブなど多くの種が人を激しく吸血する

種類の数え方は資料によって違います。農研機構のサイトに収められている『東北農業研究』第18号(1975年)掲載・秋田県畜産試験場の報告「放牧牛に対する吸血性昆虫類の防除」には「日本では、アブ類は9属70種類、東北地方では8属41種類確認されている」とあり、同じ調査で秋田県では4属22種類を確認したと書かれています。岩手県畜産試験場研究報告 第5号(昭和50年=1975年2月発行)の同名の調査では、岩手県で7属33種、秋田県で4属22種のアブが確認されています。

つまり公表資料から言えるのは「日本のアブは約100種」「人や家畜を激しく襲うのはそのうちの一部」「吸血するのはメスだけ」というところまでです。ここが地味に大事で、オニヤンマ君が効いた・効かないという話の相手は、産卵のために血を探しているメスのアブです。オスはそもそも吸血しないので、寄ってきません。私が「効かなかった」と書いているのも、このメスに対しての話です。

種類別の発生期と活動時間|公表資料に書いてある範囲だけ並べた表

「アブは夏の虫」で済ませると対策の計画が立ちません。種によって出る月も活動する時間帯も違います。書かれていない項目は空欄で埋めずに「記載が無い」と書いています。

種名 成虫の体長 成虫が出る時期 活動する時間帯 出典
イヨシロオビアブ
(通称オロロ・オロ・メジロアブ)
10mm内外(比較的小型) 成虫は8月〜9月にかけて出現(名古屋市)/白山麓では7月後半〜8月中旬に飛び始める(石川県) おもに早朝・夕方。朝・夕に活発(ただし天候によっては日中に多い場合もある) 名古屋市衛生研究所/石川県白山自然保護センター
アカウシアブ 25mm以上(名古屋市)/28mm(秋田県畜産試験場) 出現月の記載が無い(「名古屋市近郊でも時々発生する」とだけ) 日中にもよく活動し、人や家畜を襲う 名古屋市衛生研究所/秋田県畜産試験場
ウシアブ 20mm内外 6月〜8月頃に成虫が出現 時間帯の記載が無い(畜舎や放牧場の近くに多く見られる) 名古屋市衛生研究所
クロメクラアブ 記載が無い 4月下旬ころから発生 記載が無い 秋田県畜産試験場
キンイロアブ 記載が無い 8月下旬に発生のピーク 記載が無い 秋田県畜産試験場
ホルバートアブ 10mm前後 記載が無い 記載が無い 秋田県畜産試験場
アブ類ぜんたい — 発生最盛期は7月下旬から8月中旬にかけて 優占種の大部分は日中に多く、ピークは午後1時から2時。種によって朝または夕方に活発になるものもある 岩手県畜産試験場研究報告 第5号

注意しておきたいのは、同じイヨシロオビアブでも資料によって出現期の書き方が違うことです。名古屋市衛生研究所は「成虫は8月〜9月にかけて出現する」、石川県白山自然保護センターの中宮展示館は「7月後半〜8月中旬にかけて飛び始める」としています。標高や緯度で前後するはずなので、自分の地域の情報(県や市の自然保護センター、山小屋・展示館の自然情報)を見るのがいちばん確実です。これを書いている私もオニヤンマ君を吊るす前にこれを調べるべきでした。

もう一つ。秋田県畜産試験場の報告は1975年の紙資料のスキャンで、日中の活動時間の幅を示す数字の一部(「10時〜○時」の終わりの桁)が判読できませんでした。読めなかったものは書きません。時間帯については、はっきり読める岩手県畜産試験場の「ピークは午後1時から2時」を採用しています。

アブの活動が盛んになる気温・湿度・明るさ|数値が書かれている唯一の資料

対策グッズを選ぶより先に効くのは「アブが動かない条件のときに外へ出る」ことです。そこの数値が書かれていたのは、秋田県畜産試験場の報告だけでした。

  • 吸血は、ほとんどの雌が産卵するための必須条件であり、一般に昼間活動性
  • 気温は20℃を越えてから盛んとなり、27〜29℃が最適
  • 湿度は51〜70%が最適
  • 照度は1〜5万ルクスが最適環境と観察された
  • 家畜を襲う誘引要因は主に呼吸によって排出される炭酸ガスと考えられるが、熱・光・色・動く物体に対しても誘引性が認められる
  • 品種や毛色で寄生する割合が違い、黒毛和種100%に対しホルスタイン種では62%程度
  • 放牧牛1頭に対する最高寄生数はアブ類70匹程

岩手県畜産試験場の報告はここに天気の条件を足しています。「とくに、むし暑い晴天時に活発で雨天時には活動が著しく低下した」、そして「黒色の被毛を有する個体に寄生が多く、今まで経験的に云われてきたことを裏付けすることができた」。被害の大きさについても、アブの寄生による乳量減は8〜10%程度と推測されたと書かれています。牛がそれだけ削られる相手だと思うと、人間が一日中まとわりつかれて嫌になるのも当然です。

吸血そのものの数字も出ています。岩手県畜産試験場の報告では、牛体にとまってから十分吸血して飛び去るまでに5分前後、その量はおおよそアブの体重の50〜80%。アブが一度とりつくと長いのは体感どおりでした。

この「気温20℃超・最適27〜29℃」「むし暑い晴天時」を、天気予報の言葉に置き換えておきます。気象庁の予報用語では日最高気温が25度以上の日を「夏日」、30度以上を「真夏日」、35度以上を「猛暑日」、そして「むし暑い」は「風が弱く、湿度が高くて暑いこと」と定義されています。アブの最適気温27〜29℃は真夏日のすぐ手前です。ここは私の読み替えで、公表資料にそう書いてあるわけではありませんが、猛暑日よりも「夏日〜真夏日の、風がなくて蒸す日」が危ないという見方は、うちの3年の体感とぴったり合いました。風のある日に草刈りが楽だったのは、気のせいではなかったわけです。

うちの3年の記録と公表データを並べる|合っていた点とずれていた点

自分の観測がどこまで当たっていたかを、正直に突き合わせます。

項目 うち(山際の古民家)の3年の記録 公表資料の数値 判定
時期 7月中旬〜8月末がピーク。お盆前後が最悪 アブ類全体の発生最盛期は7月下旬から8月中旬(岩手県畜産試験場) ほぼ一致。私の体感は8月末まで長めに感じていた
時間帯 午前10時〜午後3時ごろ 優占種の大部分は日中に多く、ピークは午後1時から2時(岩手県畜産試験場) 一致。私の記録のちょうど真ん中が最悪の時間だった
天気 晴れて風のない日。曇り・小雨は明らかに少ない むし暑い晴天時に活発、雨天時には活動が著しく低下(岩手県畜産試験場)。「むし暑い」=風が弱く、湿度が高くて暑いこと(気象庁) 一致。「風のない」が効いていた理由が分かった
気温 測っていなかった(最大の反省点) 気温20℃を越えてから盛んとなり27〜29℃が最適、湿度51〜70%(秋田県畜産試験場) 照合できず。来シーズンは温湿度計のログを取って書き足します
服の色 黒のTシャツからベージュの長袖に変えてまとわりつきが減った 黒色の被毛を有する個体に寄生が多い(岩手県畜産試験場)。黒毛和種100%に対しホルスタイン種62%程度(秋田県畜産試験場) 一致。牛の毛色のデータが人間の服にも当てはまった形
場所 川沿い・用水路沿い・牛のいる畜舎の近く・草が伸びた休耕田 幼虫は小川・水田・湖沼・湿地に生息(名古屋市衛生研究所)。ウシアブは畜舎や放牧場近くに多い(同) 一致。「水のある場所」と「牛」が揃うと最悪というのは裏付けがあった
車 記録していなかった 排気ガス(二酸化炭素)に寄ってくるので、目的地付近ではスピードを落とす前に窓を全部閉める(石川県白山自然保護センター) 知らなかった。来年の山の用事で必ずやります
刺された後 腫れと痒みが1週間ほど残った ひどいときは痛みが2〜3週間続くこともある(石川県白山自然保護センター) 私は軽いほうだった。長引くなら受診を

自分の記録を公表データに当ててみて痛かったのは、気温と湿度を一度も測っていなかったことです。「暑い日はひどい」で止めていたので、27〜29℃という具体的な帯と照合できません。過去の天気なら気象庁の「過去の気象データ検索」で自分の地域の観測所をさかのぼれるので(気象庁 過去の気象データ検索)、興味のある方は「アブにやられた日」の日最高気温を引いてみてください。私は来シーズン、草刈りの記録に気温・湿度・風を一緒に残します。そこを測っていなかったせいで、この記事に書ける数字が一つ減りました。

アブの種類・発生期で参照した公表ページ(全URL)

探したけれど見つけられなかったものも書いておきます。北海道立衛生研究所・長野県・富山県の公式サイトでは、アブの種名や発生期の数値が載った一般向けのページを見つけられませんでした。富山市科学博物館にオロロ(イヨシロオビアブ)を扱った資料のPDFがありましたが、紙面のスキャン画像で文字を取り出せず、数値を確認できなかったので引用していません。確認できなかったものは、あったことにしないでおきます。

猫がいる家庭で絶対NGの虫除け

ピレスロイド系は猫に危険

猫はピレスロイド系の殺虫成分を代謝できません。蚊取り線香、電気蚊取り器(ベープマットなど)、殺虫スプレーの多くにはピレスロイドが含まれています。猫のいる室内では絶対に使わないでください。

代わりに、物理的な対策(網戸の補修、隙間テープ)と、ハーブ系の忌避剤(レモングラス、シトロネラ)を使いましょう。

その意味で、オニヤンマ君が「猫のいる家で使える屋外グッズ」であること自体は本当の利点です。効果が薄いことと、安全であることは別の話。私が2シーズン捨てずに使い続けているのは、この一点があるからです。ハッカ油も猫には有害なので、うちでは屋外で自分の服にだけ使い、猫が舐める可能性のある場所には近づけていません。

よくある質問(FAQ)

Q. アブ対策としてオニヤンマ君は効きますか?

A. 私の環境(山際の古民家・用水路あり)では効きませんでした。オニヤンマがアブの天敵であることは事実ですが、動かない模型に対してアブは反応しない、というのが2シーズン使った実感です。アブ対策で確実性を求めるなら、防虫ネット帽子とパワー森林香を先に用意してください。

Q. 何個吊るせばアブに効きますか?

A. 私は1個・2個・3個で試しましたが、アブに関しては本数を増やしても体感は変わりませんでした。「たくさん吊るせば効く」という使い方は、少なくとも私の庭では成立しませんでした。

Q. 吊るす高さや位置にコツはありますか?

A. 風で揺れる位置(物干し竿の端など)に吊るしたときだけ、蚊が寄る密度が下がった印象がありました。ただしアブには変化なし。高さは2mと1.5mを試しましたが、差は分かりませんでした。

Q. オニヤンマ君は何年もちますか?

A. 屋外に吊るしっぱなしだと、紫外線で羽根が曇り、紐も劣化して1シーズンが目安でした。使うたびに屋内へ戻した個体は2シーズン目も使えています。強風で飛んでいくこともあるので、紐は自分で丈夫なものに替えるのがおすすめです。

Q. 本物のオニヤンマがいる場所ならアブは減りますか?

A. うちの用水路沿いでは、本物が巡回している時間帯はアブが減ったように感じます。ただしこれはオニヤンマが実際に捕食しているからで、模型を置いて同じことが起きるわけではない、というのが私の解釈です。

Q. 猫がいる家でも使えますか?

A. 使えます。薬剤をいっさい使わないので、この点はオニヤンマ君の明確な長所です。うちは保護猫2匹が庭に出ますが、問題は起きていません。逆にピレスロイド系の殺虫剤やハッカ油は猫に有害なので、屋内では使わないでください。

Q. ブユ(ブヨ)やハチには効きますか?

A. どちらも効果を感じませんでした。ブユは足首を物理的に覆うのがいちばん確実です。ハチ、特にスズメバチの巣が近い場合は、グッズでどうにかする話ではないので専門業者に相談してください。

Q. 試していないことはありますか?

A. あります。他社の類似品との比較、複数人での同時装着・非装着の比較、アブの個体数を数える定量的な計測は行っていません。この記事に書いているのはすべて私一人の体感で、条件を揃えた実験ではありません。

まとめ:オニヤンマ君は「補助的」に使うのがベスト

オニヤンマ君は話題先行のグッズではありますが、化学薬品を使わない虫除けとして一定の価値はあります。ただし、これだけで田舎の強烈な虫たちを撃退するのは不可能。パワー森林香や防虫ネットと組み合わせて、複合的に対策するのが正解です。

とくにアブ対策としては、私は「効かなかった」と書きます。アブの天敵がオニヤンマであることは本当でも、動かない模型にアブは反応しませんでした。アブに悩んでいるなら、①服を明るい色にする(無料)、②早朝に作業する(無料)、③パワー森林香を焚く、④防虫ネット帽子をかぶる——この順で試してみてください。オニヤンマ君はそのうえでの「足し」です。

猫を飼っている方は、室内での殺虫剤使用は特に注意。愛猫の安全を最優先に、天然成分や物理的対策を中心に選んでくださいね。

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