古民家の光熱費を下げた方法|冬に月3万円を超えた家で効いた順番と実額【ガス代・電気代】

田舎暮らしリアル

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ゆう(nekoice.net 筆者)

25歳。田舎の古民家で保護猫のきなこ・あんこと暮らす、在宅フリーランスエンジニア。在宅歴3年目。こたつ作業で腰を痛めた経験から作業環境を本気で見直し、生産性・月収ともに改善。田舎暮らし・フリーランス・猫との日常に加え、地元のおばあちゃんから受け継いだ生活の知恵もリアルに発信中。

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【結論】古民家の光熱費は、この順番で下げると無駄打ちがありません

  1. プロパンガスの「単価」を下げる(契約を変える)…我が家は従量単価が1m³あたり650円→450円、基本料金が2,000円→1,500円になり、15m³使う月で11,750円→8,250円(月3,500円減)。生活は1つも変えていません。
  2. 窓とすき間を塞ぐ(熱の逃げ口を閉じる)…プラダンの二重窓で、冬の朝の室温が2〜3℃から7〜8℃に(室温計の実測)。暖房の効き方が変わり、2の後に3をやると電気代に出ます。
  3. 暖める範囲を「人と猫のいる場所」に絞る…エアコン主力をやめて足元暖房とオイルヒーター中心にしたら、電気代が2〜3割下がりました(1年目は月2万円を超えた月がありました)。
  4. 家電と契約の見直しは最後…効く家もありますが、古民家では1〜3より先にやっても効果が穴から逃げます。

先に正直に書いておきます。この記事は以前「光熱費を半額にした方法」という題でした。ところが検針票の数字で計算し直すと、冬のいちばん高い月で3万円台半ば→2万円台半ば、下がり幅は2〜3割でした。半額ではありません。題と数字を、手元の検針票と他の記事に載せている実額にそろえて書き直しています(詳しくはこの節)。

こんにちは、nekoice.net 筆者の「ゆう」です。築60年を超える古民家に移住して3年目、冬を3回越しました。家族は大人2人と、保護猫のきなこ・あんこの2匹です。在宅フリーランスなので、昼間もずっと家にいて暖房を使います。光熱費の条件としては、たぶんかなり不利なほうです。

あなたの家はどのタイプ? 検針票2枚で分かる、最初の一手

細かい話に入る前に、自分の家がどこから手を付けるべきかを、手元の検針票(ガスと電気)で見分ける表を置いておきます。我が家が3年かけて遠回りした分を、ここで短縮してもらえたらと思います。

検針票で見えること 考えられる原因 最初の一手 この記事の節
ガスの使用量は普通なのに、請求が高い 従量単価が高い 単価を計算して、ガス会社を見直す ガス代を下げる方法
ガスの使用量そのものが多い 給湯の使い方・世帯人数 単価を確かめたうえで、使い方を見直す 使用量ごとの早見表
冬だけ電気の使用量(kWh)が跳ね上がる 暖房の熱が窓・すき間から逃げている 暖房器具を買う前に、窓とすき間 電気代を下げる方法
窓を塞いでも冬の電気が高い 家ごと暖めている 暖める範囲を人と猫のいる場所に絞る 手順3
夏も冬も電気の使用量があまり変わらない 常に動いている家電・待機電力 家電の見直し(ここは最後でいい理由も読んでください) 家電の買い替え

我が家は1行目と3行目の両方に当てはまっていました。つまり、ガスは契約で、電気は家で、それぞれ別の手を打つ必要がありました。

この記事は「古民家の光熱費がなぜ高いのか」「何から手を付けると下がるのか」「我が家でいくら下がったのか」を、ガス・電気・暖房の3つに分けて、効いた順番に書いたものです。それぞれの深掘りは別の記事に分けてあるので、ここでは全体の地図と、我が家の実額に集中します。

この記事でわかること

  • 古民家の光熱費が高くなる3つの原因と、それぞれに効く打ち手
  • プロパンガス代を「量」ではなく「単価」で下げる方法と、我が家の検針票の数字
  • 使用量ごとに、単価を下げるといくら変わるかの早見表(計算式つき)
  • 窓・すき間・暖め方を変えて電気代がどう動いたか
  • 「半額」と書けなかった理由と、冬のいちばん高い月の内訳
  • 賃貸・持ち家それぞれで、今日からできること
    1. ゆう(nekoice.net 筆者)
    2. あなたの家はどのタイプ? 検針票2枚で分かる、最初の一手
    3. この記事でわかること
  1. 古民家の光熱費が高い3つの原因【冬に月3万円を超えた内訳】
    1. 原因1:プロパンガスの単価が高い(量の問題ではなかった)
    2. 原因2:熱が逃げる穴が多い(窓・すき間・床)
    3. 原因3:広い家を、長い時間、まるごと暖めていた
    4. 冬のいちばん高い月の内訳(1年目)
  2. ガス代を下げる方法:量ではなく「単価」を下げる(いちばん効いた手)
    1. 我が家の検針票:乗り換え前と後
    2. 使用量ごとの早見表:単価が200円下がると、いくら変わるか
    3. 単価を下げたあとに効く、使用量側の工夫
    4. 自分の家の単価を、検針票から30秒で出す
    5. 我が家がやった乗り換えの流れ
    6. 相談の前に手元にそろえておくもの
    7. 持ち家でも、変える前に確かめたいこと
    8. 賃貸の場合:できること・できないこと
  3. 電気代を下げる方法:家の穴を塞いでから、暖める範囲を絞る
    1. 電気の検針票は「円」ではなく「kWh」で比べる
    2. 1年目の失敗:穴を塞がずに暖房器具を増やした
    3. 手順1:窓を二重にする(いちばん効いたDIY)
    4. 手順2:すき間を塞ぐ(数百円で効く)
    5. 手順3:家ごと暖めるのをやめて、人と猫のいる場所だけ暖める
    6. 在宅ワーカーの注意:こたつで仕事をして腰を痛めた
    7. 家電の買い替え・太陽光は「最後」でいい理由
  4. 暖房の燃料をどうするか:薪ストーブは「節約」の手ではなかった
    1. 灯油ストーブは「補助」として使う
  5. 「半額」と書けなかった理由:冬のいちばん高い月で計算し直した
  6. 我が家の3年間:何をいつやったか
  7. 1年目にやって、ほとんど効かなかった節約
  8. 今日からできる順番表:持ち家・賃貸別
    1. 時期別:いつ何をするか
  9. これから古民家に住む方へ:契約前に光熱費で確かめること
    1. 都会と比べて、結局どうだったか
  10. 猫がいる家の光熱費で気をつけていること
    1. 光熱費を下げても、削らなかったもの
    2. プロパンガス代、払いすぎていませんか?
  11. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 古民家の光熱費は、普通の家と比べてどれくらい高いですか?
    2. Q2. 何から手を付けるのがいちばん効きますか?
    3. Q3. プロパンガスの会社を変えるのに、工事や費用はかかりますか?
    4. Q4. 賃貸でもガス代は下げられますか?
    5. Q5. 断熱DIYは素人でもできますか?
    6. Q6. 薪ストーブを入れれば光熱費は安くなりますか?
    7. Q7. 猫のために暖房をつけっぱなしにすると、電気代が心配です。
    8. Q8. 以前の記事にあった「半額」や年間7.5万円の削減は間違いだったのですか?
    9. Q9. ガス会社を変えたあと、また値上げされる心配はありませんか?
    10. Q10. 古民家の夏の光熱費はどうですか?
    11. Q11. 電気の料金プランや契約アンペアを見直すのは効きますか?
    12. Q12. 都市ガスからプロパンの家に引っ越すとき、ガスコンロはそのまま使えますか?
    13. Q13. 光熱費以外で、田舎暮らしで下げられる固定費はありますか?
  12. まとめ:古民家の光熱費は「単価 → 穴 → 暖める範囲」の順で下がる
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古民家の光熱費が高い3つの原因【冬に月3万円を超えた内訳】

古民家の光熱費が高くなる原因を整理した図

移住を決めたとき、私は「家賃がかからない分、生活費は下がるだろう」と考えていました。物件は自己所有なので家賃はゼロ。固定資産税も都会の感覚からすると驚くほど小さい。ところが最初の冬、電気とガスの請求を合わせると月3万円を超えました。都会のワンルームにいた頃は、どんなに寒い月でもその半分くらいでした。

何が起きていたのかを分解すると、原因は3つに分かれます。ここを先に分けておかないと、打ち手を間違えます。実際、私は1年目に順番を間違えて、お金をかけたのに下がらない冬を過ごしました。

原因1:プロパンガスの単価が高い(量の問題ではなかった)

田舎の多くは都市ガスが通っておらず、プロパンガス(LPガス)です。我が家もそうです。プロパンガスは自由料金制で、同じ地域でも会社によって従量単価が大きく違います。移住したとき、私は家に付いていた会社をそのまま使っていました。

1年目の我が家のガス代は、夏でも月7,000〜8,000円、冬は15,000円を超える月がありました。最初は「古民家は寒いからお湯を使いすぎているんだ」と思い込み、シャワーを短くしたり、湯船をやめたりしました。でも請求はあまり変わりません。原因は使う量ではなく、1m³あたりの値段のほうでした。これに気づくまで、冬を1回ほぼ我慢だけで過ごしています。

プロパンガスがなぜ会社によってここまで違うのか(設備の無償貸与のコストが単価に乗っている、競争の少ない地域で高止まりする、など)は、プロパンガスはなぜ高い?適正価格の目安と、高いままにしない方法に分けて書きました。この記事では「どう下げたか」だけを扱います。

原因2:熱が逃げる穴が多い(窓・すき間・床)

古民家の寒さは、マンションの寒さと種類が違います。移住して最初の冬、夜にカーテンが風もないのにふわふわ揺れているのを見て驚きました。室内で風が吹いていたんです。冬の朝、我が家の室温計は2〜3℃を示していました。外とほとんど同じです。

もう1つ厄介なのが床です。古民家の床下は密閉されておらず、地面の冷たさが板の間や畳に直接上がってきます。窓ガラスも土壁も板の間も、どこに触っても冷たい。この「冷たい面」に体の熱が引っ張られていくのが、いわゆる底冷えです。だから空気だけを暖めても、足元は一向に楽になりません。古民家の寒さ対策で「空気を暖める」より「冷たい面と隙間を減らす」ほうが先なのは、このためです。壁や床下の断熱改修は大がかりなリフォームになるので、我が家ではDIYで手の届く窓とすき間を先にやり、足元は暖房マットやホットカーペットの下に薄い断熱マットを挟んで、熱が床に逃げにくくしています。

この状態でエアコンを強くしても、暖まった空気は単板ガラスの窓や、建て付けの悪い引き戸、コンセントプレートの裏から逃げていきます。穴の開いたバケツに水を注いでいる状態です。暖房器具を良いものに替えても、穴が開いている限り請求書の数字は下がりません。

原因3:広い家を、長い時間、まるごと暖めていた

3つ目は、自分の暮らし方の問題でした。在宅フリーランスなので、朝から夜まで暖房をつけています。会社員の家庭より暖房の稼働時間がずっと長い。しかも古民家は天井が高く、部屋が広い。1年目の私はリビングのエアコンを主力にして、設定25℃で家ごと暖めようとしていました。

結果、月の電気代が2万円を超える月が出ました。暖気は天井に溜まり、足元は冷たいまま。頭だけぼーっと熱くて、足は冷たいという変な状態です。猫たちもエアコンの温風が当たる場所は避けて、毛布の中で丸まっていました。

冬のいちばん高い月の内訳(1年目)

3つの原因を、1年目の冬の請求に当てはめるとこうなります。

費目 1年目の冬の高い月 主な原因 効く打ち手
電気代 2万円を超えた月があった 原因2・3(穴が多い家を、エアコンで家ごと暖めた) 窓とすき間 → 暖める範囲を絞る
プロパンガス代 15,000円を超えた月があった 原因1(単価が高い) ガス会社の契約を変える
合計 3万円台半ば — —

※我が家の請求の実額です。電気・ガスとも月ごとに上下するので「高い月」の水準として載せています。通年で均すと、我が家の光熱費(電気・ガス・水道)は月およそ2万円です(古民家移住の初期費用と月の生活費の内訳と同じ数字です)。

この表を作ってはじめて、ガスと電気で効く打ち手がまったく違うと分かりました。ガスは契約の問題、電気は家と暖め方の問題です。両方を「節約」という同じ箱に入れて我慢していたのが、1年目の失敗でした。

ガス代を下げる方法:量ではなく「単価」を下げる(いちばん効いた手)

まず結論です。古民家の光熱費でいちばん効いたのは、プロパンガスの会社を変えて単価を下げたことでした。お金も我慢も要らず、1回の手続きで毎月の請求が変わります。

我が家の検針票:乗り換え前と後

項目 乗り換え前 乗り換え後 差
基本料金(月) 2,000円 1,500円 −500円
従量単価(1m³あたり) 650円 450円 −200円
15m³使った月の請求 11,750円 8,250円 −3,500円

内訳はとても単純です。従量単価が200円下がったので、200円×15m³=3,000円。これに基本料金の差500円を足して、月3,500円。シャワーの時間もお風呂の回数も変えていません。

この数字は、乗り換えの体験を詳しく書いたプロパンガスの乗り換え・会社変更のやり方、賃貸・アパート別の手順を書いたプロパンガスを安くする方法と同じ、我が家の検針票の数字です。

使用量ごとの早見表:単価が200円下がると、いくら変わるか

我が家の数字を、使用量別に計算し直したのが下の表です。測った値ではなく、上の単価と基本料金から出した計算値です。自分の家の使用量(検針票の「ご使用量」)の行を見てください。

月の使用量 乗り換え前(2,000円+650円/m³) 乗り換え後(1,500円+450円/m³) 月の差 この量になりやすい時期(我が家)
5m³ 5,250円 3,750円 −1,500円 一人暮らしの夏くらい
8m³ 7,200円 5,100円 −2,100円 夏(請求が7,000〜8,000円だった頃)
10m³ 8,500円 6,000円 −2,500円 春・秋
15m³ 11,750円 8,250円 −3,500円 冬の入り口(検針票で比べた月)
20m³ 15,000円 10,500円 −4,500円 真冬(請求が15,000円を超えた頃)

※計算式:月の差 = 基本料金の差500円 + 単価の差200円 × 使用量。単価や基本料金は会社・地域・時期で変わるため、自分の家の数字で計算し直してください。

表から分かることは2つです。1つ目は、使う量が多い冬ほど差が大きくなること。プロパンガス代がいちばん怖い真冬に、いちばん強く効きます。2つ目は、使用量を減らす節約と比べて、桁が違うこと。仮にシャワーを我慢して使用量を2割減らしても、単価650円のままなら15m³→12m³で減るのは1,950円です。単価を変える1手のほうが、我慢の積み重ねより大きい。

だから順番は「単価が先、量は後」です。量を減らす工夫(シャワーヘッド、追い焚きを減らすなど)は意味がないわけではありませんが、単価が高いままだと効きが小さくなります。使用量側の節約の金額を公的な数字から計算した表は、プロパンガスを安くする方法に載せています。

単価を下げたあとに効く、使用量側の工夫

単価を下げたら、次は使う量です。ここからの工夫は「単価が下がった家」で効き目が素直に出ます。我が家で続けているのは、どれも生活の質をほとんど落とさないものだけです。

  • お風呂の時間を家族で寄せる…追い焚きの回数が減ります。冬は特に、お湯が冷めきる前に続けて入るだけで違います。
  • 浴槽にフタをする…当たり前のことですが、古民家の浴室は寒いので、フタの有無でお湯の冷め方がはっきり変わります。
  • 給湯の設定温度を見直す…必要以上に熱いお湯を作って水で薄めるのは、ガスの無駄です。
  • 下ゆでは電子レンジで…野菜の下ゆでをレンジに回すと、コンロの時間が短くなります。ただしその分は電気代に振り替わるので、ガス代だけを見て「下がった」と思わないようにしています。

それぞれでいくら減るかは、公的な数字から計算した表をプロパンガスを安くする方法に載せています。我が家では個別に測っていないので、ここでは金額を書きません。

自分の家の単価を、検針票から30秒で出す

乗り換えを考える前に、まず自分の単価を知ってください。我が家の検針票には従量単価が書いてありませんでしたが、計算で出せます。

従量単価 =(請求額の合計 − 基本料金)÷ ご使用量(m³)

例:請求11,750円・基本料金2,000円・使用量15m³なら、(11,750 − 2,000) ÷ 15 = 650円/m³(乗り換え前の我が家)

この数字が手元にあると、見積もりを取ったときに「本当に安くなるのか」を自分で判断できます。逆に、これを知らないまま話を聞くと、提示された金額が得なのか分かりません。私は最初の相談で、自分の単価を答えられずに口ごもりました。

使用量そのものが多いのか少ないのかを見たい場合は、プロパンガスの平均使用量、二人暮らしは月6.5㎥が目安が参考になります。都市ガスから引っ越してきた方は、都市ガスとプロパンでは同じ暮らしでも㎥の数字が大きく違うので注意してください(換算の仕方は都市ガスとプロパンガスで使用量が違う理由)。「うちは使用量が少ないから安いほうだ」と思い込むと、単価の高さを見逃します。

我が家がやった乗り換えの流れ

私は自分でガス会社を1社ずつ探すのが面倒で(というより、地元にどんな会社があるのかすら分からなかったので)、比較と切り替えの手続きを無料でやってくれる「ガス屋の窓口」を使いました。流れはこうです。

  1. 検針票を手元に置いて申し込む…住所、いまの会社、基本料金と使用量を伝えます。ここで上の単価が分かっていると話が早いです。
  2. 地域で切り替えられる会社と、料金の提案をもらう…基本料金と従量単価が出てくるので、自分の使用量で計算して比べます。
  3. 会社を決める…いまの会社への解約の連絡は代行してもらえました。自分で電話して引き止められる気まずさが無かったのは、正直いちばん助かった点です。
  4. 切り替えの日に立ち会う…我が家はボンベとメーターの交換だけで、配管はそのまま。作業はあっという間に終わりました。

申し込みから切り替え完了まで、我が家ではおよそ2週間でした。家を掘り返すような工事はありません。

切り替えの日、作業の方が玄関でメーターを替えている間、きなこがずっと足元にすり寄っていました。人見知りのあんこは押し入れから出てきませんでした。猫がいる家は、作業の間だけ猫を別の部屋に入れておくと、ドアの開け閉めで外に出てしまう心配が無くなります。

手順の細かいところ(違約金や設備の買い取りの扱い、断られるケース)は乗り換えの実録に書いています。まずは自分の単価が相場から外れているかだけでも確かめたい、という方は、無料の診断から始められます。

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相談の前に手元にそろえておくもの

私が最初の相談で口ごもったのは、自分の家の数字を何も把握していなかったからです。次の5つを先にメモしておくと、話が5分で終わります。

  • 直近の検針票(できれば冬の月と夏の月の2枚)…基本料金・使用量・請求額
  • 上の式で出した従量単価
  • いまのガス会社の名前と、契約したときの書類があればその控え
  • 給湯器やガスコンロを、ガス会社から無償で付けてもらったものかどうか
  • 持ち家か賃貸か。賃貸なら管理会社・大家さんの連絡先

持ち家でも、変える前に確かめたいこと

持ち家なら会社を変えられますが、どの家でも同じように変えられるわけではありません。我が家は問題なく進みましたが、相談の中で「こういう家は注意が要る」と教わったことを書いておきます。

確かめること なぜ大事か 我が家の場合
給湯器などの設備が「無償貸与」になっていないか 設備代が単価に上乗せされている場合があり、解約時に残りの代金を求められることがある ボンベとメーターの交換だけで済んだ
契約期間や解約の条件 期間の途中だと違約金がかかる契約もある 解約の連絡は代行してもらった
集合住宅・集中供給ではないか 何軒かで1つの設備を使っている場合、1軒だけでは変えられない 一軒家で自宅専用のボンベだった
切り替え当日にガスが止まる時間 作業中はお湯もコンロも使えない 作業は短時間で、その日の夜には普通に使えた

賃貸の場合:できること・できないこと

ここは正直に書きます。我が家は持ち家なので、自分の判断で会社を変えられました。賃貸・アパートでは、ガス会社を決めているのは建物の所有者なので、入居者の一存では変えられないのが普通です。賃貸の方ができるのは、検針票から単価を出して管理会社・大家さんに相談すること、そして使用量側の節約です。一戸建ての賃貸だと、大家さんが了承すれば変えられる場合もあります。手順は賃貸・アパート別の手順にまとめました。

電気代を下げる方法:家の穴を塞いでから、暖める範囲を絞る

ガスは契約で下がりました。電気は契約ではなく、家と暖め方で下がりました。ここは順番がとても大事で、私は1年目に逆をやって失敗しています。

電気の検針票は「円」ではなく「kWh」で比べる

電気代の話に入る前に、1つだけ測り方の注意を書いておきます。電気代は、使った量が同じでも請求額が動きます。請求には基本料金と電力量料金のほかに、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金が含まれていて、これらの単価は月ごとに変わるからです。

そのため、「去年の1月より今年の1月のほうが安かった」と円で比べても、それが自分の工夫の効果なのか、単価が動いただけなのかが分かりません。工夫の効き目を見たいなら、検針票の「ご使用量(kWh)」を、去年の同じ月と比べてください。電力会社のWebの会員ページでは、過去の月別の使用量をさかのぼって見られることが多いです。

正直に書くと、私は1年目にこれを知らず、円の請求額しか書き留めていませんでした。この記事で電気代を「2〜3割下がった」「1万円台半ば」と幅のある書き方にしているのは、そのためです。いまは毎月、kWhの数字もメモしています。これから対策を始める方は、始める前の月のkWhを1枚だけでも残しておくと、あとで効果を自分の数字で確かめられます。

検針票の項目 何を表すか 自分の工夫で動くか
ご使用量(kWh) その月に使った電気の量 ◎ 断熱・暖め方の効果はここに出る
基本料金(契約アンペアなど) 使わなくてもかかる固定分 ○ 契約の見直しで動く
電力量料金 使用量×単価 ○ 使用量が減れば減る
燃料費調整額 燃料の価格に合わせて月ごとに変わる分 × 自分では動かせない
再エネ発電賦課金 使用量に応じて全員が払う分 △ 使用量が減れば減るが、単価は動かせない

1年目の失敗:穴を塞がずに暖房器具を増やした

最初の冬、寒さに耐えかねて、私はまず暖房器具を足しました。セラミックヒーターを買い、エアコンの設定を上げ、サーキュレーターを回しました。体感は少し変わりましたが、電気代はさらに上がりました。温めた空気が、窓とすき間から外へ逃げていたからです。月2万円を超えたのはこの頃です。

2年目の秋に順番を変えました。窓 → すき間 → 暖める範囲を絞る。お金をかける場所を、暖房器具から家の穴のほうへ移したんです。

手順1:窓を二重にする(いちばん効いたDIY)

建物から逃げる熱のいちばん大きい出口は窓です。業者に頼んで内窓を入れれば確実ですが、1窓あたり数万円から。窓の数が多い古民家では、一気にはできません。そこで、プラダン(プラスチックダンボール)で窓の内側にもう1枚窓を立てるDIYをしました。

  • 費用:掃き出し窓で約8,000円、腰高窓で約4,000円
  • 時間:休日2日で2窓
  • 効果:冬の朝の室温が2〜3℃ → 7〜8℃(我が家の室温計での実測)

室温が5℃違うと、暖房のスイッチを入れてからの温まり方がまるで違います。エアコンの設定温度を下げても平気になりました。作り方の手順と、3年使って分かった劣化(南向きの窓のプラダンは3シーズンで白っぽくなりました)、猫がプラダンを登って倒した話は古民家の冬の断熱・暖房の記事に全部書いています。

手順2:すき間を塞ぐ(数百円で効く)

窓の次はすき間です。隙間テープは数百円で、貼るだけ。費用に対する効き目はこれがいちばん大きかったと思います。どこから冷気が入っているか分からないときは、火をつけた線香を窓枠やドアの縁に沿ってゆっくり動かすと、煙が横に流れる場所が侵入口です。我が家では窓枠よりもコンセントプレートの裏と玄関の引き戸の下が強烈でした。

あわせて、古民家にはだいたい付いている雨戸を毎晩閉めるようにしました。0円です。移住した当初は面倒で閉めていませんでしたが、試しに閉めた翌朝の室温が明らかに違って、以来毎晩の日課になりました。1年目は戸車が固着して動かない雨戸があったので、油を差して直しました。

すき間を塞ぐ道具の選び分けは古民家の隙間をふさぐグッズの記事にまとめています。

手順3:家ごと暖めるのをやめて、人と猫のいる場所だけ暖める

穴を塞いだあとで、ようやく暖め方を変えました。たどり着いた考え方はこれです。

広い古民家を均一に暖めるのは諦める。家全体は最低ラインだけ保ち、自分と猫がいる場所だけ本気で暖める。

  • エアコンは主力から外して、最低室温のキープ役に。
  • オイルヒーターを仕事部屋と寝室に。タイマーと温度設定を必ず使います(つけっぱなしにすると効果より先に請求書が来ます)。
  • 電気ひざ掛け・ホットカーペットで足元と体を直接暖める。空気を暖めるより効率が良く、デスクワークにはこれが最短でした。
  • サーキュレーターは天井に溜まった暖気を下ろすために回す。単体で電気代がいくら下がるかは切り分けて測っていませんが、足元の冷たさは体感ではっきり変わりました(選び方はサーキュレーターのおすすめ)。

この組み合わせに変えて、エアコンだけに頼っていた頃と比べて電気代は2〜3割下がりました。1年目に2万円を超えた月の水準で言えば、1万円台半ばです(2〜3割を当てはめた計算で、同じ月の実額比較ではありません)。

ちなみに電気ひざ掛けは、スイッチを入れると1分であんこが乗ってきます。そして私が使えなくなります。猫のいる家の部分暖房は、猫の分も数に入れておくのが現実的です。

在宅ワーカーの注意:こたつで仕事をして腰を痛めた

光熱費の話から少しそれますが、在宅で仕事をする方には書いておきたいことがあります。1年目の冬、私は「こたつで仕事をすれば、こたつだけ点ければ済むから安い」と考えました。暖かさは最強です。でも2か月で腰を痛めました。床に座って前傾でノートPCを打つ姿勢を、1日8時間、毎日です。

フリーランスは体が資本なので、稼働が落ちればそのまま収入が落ちます。暖房代を数千円節約して、その何倍も損しました。いまは仕事は椅子と机、足元はホットカーペットと電気ひざ掛け、こたつは仕事が終わったあとにくつろぐ場所、と分けています。デスクをどう直したかは在宅ワークの腰痛対策に書きました。

家電の買い替え・太陽光は「最後」でいい理由

古い家電を省エネ家電に替える、LED照明に替える、待機電力を切る。どれも正しい節電ですが、古民家では1〜3(ガスの単価・窓とすき間・暖める範囲)より先にやっても、効果が穴から逃げます。冬の電気代の大部分は暖房なので、暖房の効率を決める家の穴を先に塞いだほうが、同じお金でよく効きます。

我が家も、移住したときに古い冷蔵庫を買い替えました。ただ、その効果を電気代の数字として切り分けては測っていません。同じ時期に暖房の使い方も変えていたからです。測っていないものの金額は、ここには書きません。

太陽光発電と蓄電池も検討はしました。屋根が広いのは田舎の利点です。ただ、古民家は屋根の強度や形の確認から始まり、初期費用が大きいので、まだ導入していません。導入していないものを「効く」とは書けないので、ここでは「1〜3を終えてから、それでも高ければ見積もりを取る候補」という位置づけにしておきます。停電への備えとしては、先にポータブル電源を置いています。

暖房の燃料をどうするか:薪ストーブは「節約」の手ではなかった

古民家の光熱費の話をすると、必ず「薪ストーブにすれば安くなるのでは」と聞かれます。我が家は3年目に薪ストーブを入れました。結論から言うと、暖かさは最強、でも節約の手段としては勧めません。

比べる点 部分暖房(オイルヒーター・電気ひざ掛け・ホットカーペット) 薪ストーブ
初期費用 数千円〜1万円台(器具ごと) 本体+煙突工事で約100万円(我が家の実額)
暖まり方 人がいる範囲だけ 壁や床まで、家の芯から暖まる
立ち上がり すぐ 焚き付けから1〜2時間
手間 ほぼ無し 薪の調達・割る・乾かす(1年以上)・灰の処理・煙突掃除
停電のとき 使えない 暖房も調理もできる
光熱費の節約として ◎ 2〜3割下がった(我が家) △ 電気代は減るが、初期費用の回収は現実的でない

灯油ストーブは「補助」として使う

灯油ストーブも、古民家の暖房としてはよく名前が挙がります。対流式なら部屋の空気をまとめて暖められ、足元まで暖かさが届きやすいので、天井が高くて底冷えする家には向いています。我が家でも寒さの強い日の補助として使っていますが、灯油代は電気・ガスと分けて月ごとに記録していないので、ここでは金額を書きません。

使うときに必ず守っていることが3つあります。

  • 換気…締め切った部屋で長時間使うと、一酸化炭素中毒の危険があります。断熱で気密を上げた部屋ほど、意識して窓を少し開けるか換気扇を回してください。
  • 猫との距離…猫は暖かい場所に寄っていきます。ストーブの前に柵を置き、上に物を載せない。しっぽやひげが熱源に近づきすぎない配置にしています。
  • 買い方…灯油は重く、田舎ではガソリンスタンドまで車で行くことになります。給油の手間も含めて「安い燃料」かどうかを考えたほうが、続けやすいです。

灯油もガスも電気も、「どの燃料が一番安いか」より先に、熱が逃げない家にするほうが効きます。燃料を替えても、窓から逃げる熱の量は変わらないからです。

100万円を電気代の節約で取り戻すには、何十年もかかります。我が家が薪ストーブを入れたのは、節約のためではなく、底冷えに唯一はっきり勝てる暖房だったからと、停電への備えのためです。光熱費を下げるのが目的なら、順番はあくまで1〜3が先です。薪を割る道具の話は薪割り斧と電動薪割り機の選び方に書いています。

「半額」と書けなかった理由:冬のいちばん高い月で計算し直した

古民家の冬の光熱費を乗り換え前後で比べた図

この記事の以前の版には、ガス代の単価を「700円→500円」、年間の光熱費を「25万円→17.5万円」と書いた表がありました。ところが、乗り換えの実録や、プロパンガスを安くする方法の記事に載せている検針票の数字(650円→450円、基本料金2,000円→1,500円)と食い違っていました。月別の表と年間の表の合計も合っていませんでした。読んでくださった方を混乱させたと思います。すみません。

そこで、手元にある実額だけで、冬のいちばん高い月を計算し直しました。

費目 1年目の冬(高い月) 対策後の冬(同じ水準の月) 根拠
プロパンガス代 約15,000円(20m³) 約10,500円(20m³) 検針票の単価と基本料金から計算
電気代 2万円を超えた月があった 1万円台半ば 「2〜3割下がった」を当てはめた計算
合計 3万円台半ば 2万円台半ば 下がり幅はおよそ2〜3割

つまり、我が家の冬の光熱費は月に1万円前後下がりましたが、半分にはなっていません。3年目に入れた薪ストーブで電気代はさらに減っていますが、薪と100万円の初期費用をどう数えるかで答えが変わるので、ここには足していません。

「半額」と書いたほうが目を引くのは分かっています。でも、光熱費の記事を読みに来る方が知りたいのは、自分の家でいくら下がりそうかだと思います。だから、我が家の実額と、自分の家の数字に置き換える計算式のほうを残しました。ガスの早見表に自分の使用量を当てはめれば、少なくともガス代の分は自分で見積もれます。

我が家の3年間:何をいつやったか

ここまでの話を、我が家で起きた順に並べ直しておきます。同じ順番でやる必要はありませんが、「1年目で全部は無理」という目安にはなると思います。

時期 やったこと 起きたこと
1年目の冬 エアコン主力・セラミックヒーターを追加・シャワーを我慢・こたつで仕事 電気代が月2万円を超えた月があり、ガスも15,000円を超えた。2か月で腰を痛めた
1年目の冬を越したあと 検針票から単価を計算。ガス会社を乗り換え 従量単価650円→450円、15m³の月で月3,500円減
2年目の秋 隙間テープ・雨戸を毎晩閉める・プラダンの二重窓・部分暖房に切り替え・机と椅子で仕事 冬の朝の室温が2〜3℃→7〜8℃。電気代が2〜3割減
2年目の冬 — 押し入れにカビ。あんこがプラダンに登って倒した
3年目 南向きの窓だけポリカーボネートに交換・薪ストーブを導入 家の芯まで暖まるようになった。初期費用は約100万円

振り返ると、お金をかけずに効いたのは「単価を下げる」と「穴を塞ぐ」の2つで、どちらも2年目までに終わっていました。3年目の薪ストーブは、光熱費のためではなく暮らしの快適さのための買い物です。

1年目にやって、ほとんど効かなかった節約

効いたものだけを書くと、「全部うまくいった人の話」に見えてしまうので、効かなかったものも残しておきます。どれも、順番を間違えたことが原因でした。

やったこと どうなったか 効かなかった理由
シャワーを短くする・湯船をやめる 寒くてつらいのに、ガス代はあまり変わらなかった 原因が量ではなく単価だった
セラミックヒーターを買い足す 体の前だけ暖かく、電気代は上がった 穴を塞ぐ前に暖房を足した
エアコンの設定を上げる 頭だけ熱く、足は冷たいまま。電気代は月2万円超え 天井が高い家で、暖気が上に溜まった
こたつで仕事をする 2か月で腰を痛めた 暖房代より体のほうが高くついた
12月に断熱材料を買いに行く 隙間テープと断熱シートの棚が空だった 寒くなってから動いた

共通しているのは、「我慢」と「足し算」から入ったことです。光熱費が下がり始めたのは、原因を分けて、効く順に手を打つようになった2年目からでした。

今日からできる順番表:持ち家・賃貸別

ここまでの話を、手を付ける順番に並べ直します。上から順にやれば、お金をかけたのに下がらない、という無駄打ちを避けられます。

順番 やること 費用 我が家で下がった額 持ち家 賃貸
1 検針票から自分のガス単価を出す 0円 —(判断の材料) ◎ ◎
2 プロパンガスの会社を見直す 0円(診断・切り替え手続き) 15m³の月で−3,500円(検針票) ◎ △ 大家さんへの相談
3 隙間テープ・雨戸を閉める 0円〜数百円 金額は未計測(体感で最大) ◎ ○ はがせるテープで
4 プラダンで二重窓 1窓4,000〜8,000円 朝の室温+5℃(実測) ◎ ○ 置くだけの作りなら
5 家ごと暖めるのをやめ、部分暖房へ 数千円〜1万円台 電気代が2〜3割減 ◎ ◎
6 使用量側の節約(シャワー・追い焚き) 0円〜数千円 単価が高いままだと小さい ○ ◎
7 家電の買い替え・太陽光の見積もり 数万円〜 未計測/未導入 ○ △

窓とすき間は、寒くなってから動くと材料が棚から消えます。12月のホームセンターでは、隙間テープと断熱シートの棚が本当に空になります。秋のうちに採寸と材料の注文まで済ませておくのがおすすめです。ガスの見直しも、効き目がいちばん大きい冬が来る前に済ませておくと、その冬から差が出ます。

時期別:いつ何をするか

時期 やること なぜこの時期か
9月下旬〜10月上旬 ガスの検針票から単価を出す/全部の窓を採寸して材料を注文 冬に使用量が増える前に単価を下げておくと、差がいちばん大きい冬に間に合う
10月中 ガス会社の見直しの相談/隙間テープ貼り/雨戸が動くか確認 切り替えは我が家で約2週間。0円〜数百円の対策を先に終える
10月下旬〜11月上旬 プラダンの二重窓を、長くいる部屋から 作業が寒くない。失敗してやり直す余裕がある
11月中 足元暖房と猫の暖かい場所を設置。電気のkWhをメモし始める 本格的な冷え込みの直前。比べる元の数字を残す
1〜2月 検針票の使用量(ガスm³・電気kWh)を去年の同じ月と比べる いちばん高い月で効果を確かめる
春 傷んだプラダンや隙間テープを確認。換気と除湿に切り替え 湿気の季節に、気密を上げた家はカビが出やすい

もう1つ、断熱で気密を上げると、湿気の逃げ道も減ります。我が家は二重窓を入れた2年目の冬、押し入れの奥でカビを見つけました。冬でも1日数分は窓を開ける、除湿機を回す。断熱と換気はセットです(古民家のカビ・湿気対策)。

これから古民家に住む方へ:契約前に光熱費で確かめること

まだ物件を探している段階の方は、光熱費は「住んでから下げる」より「住む前に見抜く」ほうがずっと楽です。私が移住前に知っていたら、内見のときに必ず確かめたことを並べます。

確かめること どう確かめるか なぜ効くか
ガスは都市ガスかプロパンか、どこの会社か ボンベとメーターに会社名のシールが貼ってある プロパンなら、住み始めてすぐ単価を確かめる必要がある
前に住んでいた人の冬の検針票 売主・大家さんに頼めば見せてもらえることがある 冬にいくらかかる家なのかが、住む前に分かる
窓の数と種類(単板ガラスか) 内見で全部の窓を数える 二重窓のDIYの費用と手間は窓の数で決まる
雨戸があるか、動くか 実際に開け閉めしてみる 0円で効く断熱。我が家は戸車が固着していた
天井の高さと、長くいる部屋の広さ 仕事部屋にする部屋を先に決めて見る 在宅ワーカーは、その部屋の暖めやすさが冬の電気代を決める
すき間風 冬の内見なら線香の煙、そうでなければ障子や戸の建て付けを見る すき間が多い家ほど、最初の冬にやることが増える

移住全体のお金の話は古民家移住の初期費用と月の生活費に、物件を探すときの注意点は空き家バンクの活用法に書いています。

都会と比べて、結局どうだったか

正直なところ、光熱費だけを比べれば、いまでも都会のワンルームにいた頃より高いです。家が広く、古く、在宅で一日中いるので、当然といえば当然です。それでも暮らし全体では、家賃がかからない分、我が家の月の生活費は合計でおよそ13.3万円に収まっています(内訳は上の記事にあります)。

だから私は、古民家の光熱費を「都会並みに下げる」ことは目標にしていません。目標は、原因の分かっていない出費をなくすことです。単価が高いまま払い続けること、穴から逃げる熱に暖房代を払い続けること。この2つを止めれば、残りは広い家に住む代わりの、納得して払えるお金になります。

猫がいる家の光熱費で気をつけていること

猫を飼っていると、「自分ひとりなら我慢できるけど、猫は寒がらせたくない」と思って暖房を強くしがちです。私も1年目はそうでした。でも観察していると、猫は家全体の室温より暖かい場所があるかどうかを気にしています。

  • 冬のきなことあんこの定位置は、床までの丈のカーテンと窓の間、ホットカーペットの上、電気ひざ掛けの上。どれも「点」の暖かさです。
  • 留守にするときは、家ごと暖房をつけっぱなしにするより、猫が潜り込める毛布やペット用ヒーターを置いて、部屋は最低ラインだけ保つ形にしています。
  • 電気ひざ掛けやホットカーペットは、猫がコードをかじらないかを最初に確かめてください。我が家はコードをカバーで覆っています。

猫の分の暖かさを「家全体」ではなく「場所」で用意すると、光熱費と猫の快適さの両方が成り立ちました。

光熱費を下げても、削らなかったもの

節約の記事を書いておいて何ですが、3年やってみて「ここは削らないほうが結局安くつく」と分かったものがあります。

  • 仕事をする場所の暖かさ…在宅フリーランスは、手がかじかむと作業の速さがそのまま落ちます。足元暖房とオイルヒーターの分は、仕事の道具代だと思って払っています。
  • 猫の暖かい場所…寒い時期に猫が体調を崩すと、動物病院への通院で光熱費の節約分はすぐに消えます。きなことあんこの「点」の暖かさは、毎年最初に用意します。
  • 換気…せっかく暖めた空気を逃がすのはもったいないと感じますが、断熱で気密を上げた家ほど、湿気と灯油ストーブの空気のために換気は削れません。
  • 湯船…単価を下げてからは、冬は湯船に浸かる生活に戻しました。我慢で下げていた1年目より、今のほうがガス代は安く、体も楽です。

「下げる」と「我慢する」は別物でした。単価と家の穴を先に直すと、我慢しなくても下がります。逆に、そこを直さずに我慢だけで下げようとすると、体と仕事のほうが先に削れていきます。

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よくある質問(FAQ)

古民家の光熱費についてよくある質問のイメージ

Q1. 古民家の光熱費は、普通の家と比べてどれくらい高いですか?

A. 家の条件と暮らし方で大きく変わるので、一般論の数字は出せません。我が家(築60年超・大人2人と猫2匹・在宅勤務)は、通年で均すと月およそ2万円(電気・ガス・水道)、1年目の冬の高い月は3万円台半ばでした。都会のワンルームにいた頃の冬は、その半分くらいでした。

Q2. 何から手を付けるのがいちばん効きますか?

A. プロパンガスの家なら、まず検針票から従量単価を出してください。単価が高ければ、会社を見直すのがいちばん効きます(我が家は15m³の月で3,500円)。電気代は、暖房器具を足す前に窓とすき間を塞ぐのが先です。

Q3. プロパンガスの会社を変えるのに、工事や費用はかかりますか?

A. 我が家はボンベとメーターの交換だけで、配管はそのまま、費用はかかりませんでした。申し込みから完了までおよそ2週間で、当日は立ち会いが必要でした。家の設備や今の会社との契約によっては、違約金や設備の扱いが問題になることがあるので、相談の段階で確認してください。

Q4. 賃貸でもガス代は下げられますか?

A. 賃貸ではガス会社を決めているのが大家さんなので、入居者だけでは変えられないのが普通です。単価を検針票から出して管理会社に相談する、使用量側の節約をする、の2つが現実的な手です。

Q5. 断熱DIYは素人でもできますか?

A. 隙間テープと窓用断熱シートは貼るだけです。プラダンの二重窓も、カッターと定規があれば作れます。私は休日2日で2窓でした。ただし古民家の窓枠はほぼ長方形ではないので、上下左右を2か所ずつ測ってください。我が家の掃き出し窓は左右で高さが7mm違いました。

Q6. 薪ストーブを入れれば光熱費は安くなりますか?

A. 電気代は減りますが、我が家は本体と煙突工事で約100万円かかりました。節約で取り戻すのは現実的ではありません。暖かさと停電への備えのために入れるもの、と考えたほうが後悔しません。

Q7. 猫のために暖房をつけっぱなしにすると、電気代が心配です。

A. 家全体をつけっぱなしにするより、猫が潜れる暖かい場所(ペット用ヒーター、毛布、ホットカーペット)を用意して、部屋は最低ラインだけ保つ形にすると、電気代を抑えられます。我が家の猫は、部屋全体の温度より「暖かい点」があるかを気にしていました。

Q8. 以前の記事にあった「半額」や年間7.5万円の削減は間違いだったのですか?

A. 以前の版の単価(700円→500円)と年間の表は、他の記事に載せている検針票の数字と食い違っていました。今の版では、検針票の単価(650円→450円)と、実際に書き留めていた請求額だけで計算し直しています。冬の高い月で見ると下がり幅は2〜3割で、半額ではありませんでした。

Q9. ガス会社を変えたあと、また値上げされる心配はありませんか?

A. プロパンガスは自由料金制なので、契約後に料金が改定される可能性はゼロではありません。相談するときに、値上げのときにどう知らされるのか、見守りの仕組みがあるのかを確かめておくと安心です。我が家は乗り換えたあとも、年に1回は検針票から単価を計算し直して、上がっていないかを見ています。計算式は上の「検針票から30秒で出す」と同じです。

Q10. 古民家の夏の光熱費はどうですか?

A. 我が家では、冬に比べると夏の光熱費はずっと落ち着いています。ガスは給湯の量が減るので使用量が下がり、請求は冬の半分ほどの水準です。夏は窓を開けて風を通し、日中の暑い時間だけ冷房を使っています。猫の暑さ対策は猫の暑さ対策グッズにまとめています。

Q11. 電気の料金プランや契約アンペアを見直すのは効きますか?

A. 効く家もありますが、先に検針票の使用量(kWh)を月ごとに把握してからのほうが確実です。どの時間帯に、どの季節に多く使っているかが分からないまま料金プランを選ぶと、得か損かを判断できません。古民家では冬の暖房が使用量の大部分を占めやすいので、窓・すき間・暖め方を先に直して使用量を下げてから、その数字でプランを比べる順番をおすすめします。

Q12. 都市ガスからプロパンの家に引っ越すとき、ガスコンロはそのまま使えますか?

A. 使えません。都市ガス用とプロパン用ではガスの種類が違い、器具もそれぞれ専用です。本体の銘板に対応するガスの種類が書いてあるので、引っ越す前に確かめてください。見分け方はガスレンジは都市ガス用とプロパン用で互換性なしにまとめています。

Q13. 光熱費以外で、田舎暮らしで下げられる固定費はありますか?

A. 光熱費以外の固定費は、住居費・通信費・車の費用が大きな項目です。我が家の場合、在宅の仕事に必要なネット回線は削れない費目として扱っています。費目ごとの月額と内訳は古民家移住の初期費用と月の生活費を全公開にまとめています。

まとめ:古民家の光熱費は「単価 → 穴 → 暖める範囲」の順で下がる

古民家の光熱費が高いのは、我慢が足りないからではありませんでした。我が家の場合、原因は3つに分かれていて、それぞれに効く手が違いました。

  • ガス代は単価の問題。会社を見直して、15m³の月で11,750円→8,250円(月3,500円減)。
  • 電気代は家の穴と暖め方の問題。窓とすき間を塞いでから部分暖房に変えて、2〜3割減。
  • 冬のいちばん高い月で、3万円台半ば→2万円台半ば。半額ではないけれど、月に1万円前後。

まずは今月の検針票を出して、従量単価を計算してみてください。それだけで、ガス代が「量の問題」なのか「単価の問題」なのかが分かります。単価の問題なら、手を付ける場所はもう決まっています。

この記事が、古民家で冬を迎える方の役に立てばうれしいです。きなことあんこは今年も、カーテンと窓の間で冬を待っています。

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