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プロパンガスを安くする方法は、大きく2種類しかありません。「お湯を使う量を減らす(使用量を削る)」か、「1立方メートルあたりの単価そのものを下げる(契約を見直す)」かです。そして金額のインパクトが桁違いに大きいのは後者です。
節水シャワーヘッドや追い焚きの工夫でも月に数百円〜千円台は削れます。ですが、プロパンガスは会社が自由に値段を決められる「自由料金制」なので、同じ量を使っていても契約先が違うだけで月に数千円単位の差が出ます。持ち家なら、まず契約の見直しから手を付けるのが最短です。
プロパンガスを安くする5つの方法【効果と手間の早見表】
先に全体像です。「どれから手を付けるべきか」は、削減額だけでなく手間と初期費用のバランスで決まります。
| 方法 | 初期費用の目安 | 手間 | 効果の大きさ | 効果が出るまで |
|---|---|---|---|---|
| ガス会社の契約を見直す | 0円 | 見積もり依頼のみ | 最大(単価そのものが下がる) | 切り替え後の初回検針から |
| 節水シャワーヘッドに交換 | 3,000〜8,000円前後 | 工具不要・数分 | 大(お湯の量が減る) | 交換した当日から |
| 給湯器の設定温度を下げる | 0円 | ボタン操作のみ | 中 | その日から |
| 追い焚きを減らす(保温フタ) | 1,000〜3,000円前後 | 入浴時間を寄せる | 中 | その日から |
| 調理を電子レンジ・IHへ寄せる | 0〜10,000円前後 | 調理の習慣を変える | 小〜中(電気代へ振替) | その日から |
注意したいのは、いちばん下の3つは毎日の我慢を増やす方向だということです。我慢は続きません。続く節約は「一度やれば以後ずっと効くもの」=上の2つです。
なぜ田舎のプロパンガスは高いのか?
理由は、プロパンガスが自由料金制だからです。都市ガスや電気と違って公共料金ではなく、ガス会社が自由に価格を設定できます。競争相手の少ない地域ほど価格が高止まりしやすく、しかも料金表が公開されていないことが多いため、高いこと自体に気づきにくいという構造があります。
請求額は、次の2つの足し算でできています。
- 基本料金(毎月固定。使っても使わなくてもかかる)
- 従量料金(1立方メートルあたりの単価 × 使った量)
つまり「単価」と「使用量」の掛け算なので、単価が下がれば、生活を1つも変えなくても請求額が下がります。逆に言えば、単価が高いまま使用量だけ削っても、削れる幅には限界があります。
【計算例】単価が200円違うと、月いくら変わるのか
数字で見ると、どちらを優先すべきかがはっきりします。冬場に月15立方メートル使う家庭で、従量単価だけが違う2つの契約を比べてみます。
| 項目 | 単価が高い契約 | 単価が安い契約 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 2,000円 | 1,800円 |
| 従量単価(1m³あたり) | 700円 | 500円 |
| 使用量 | 15m³ | 15m³ |
| 月額合計 | 12,500円 | 9,300円 |
差額は月3,200円、年間にすると38,400円。生活は1ミリも変えていません。同じ量のお湯を、同じように使った結果です。
節水シャワーヘッドでお湯を2割減らしても、単価が700円のままなら削れるのは月2,100円ほど。単価の見直しの方が、努力ゼロで効果が大きいのはこのためです。もちろん両方やるのが最善で、その場合は効果が重なります。
我が家が実際に会社を変えたときの請求書の推移は、プロパンガスの乗り換え・会社変更のやり方|料金を比較して月8,000円下げた実録に月別でまとめています。
今日からできる5つの節約術

① 節水シャワーヘッドの導入(使用量を削る中では最も効果大)
プロパンガス代の大半はお湯を沸かす分です。つまりガス代を減らすというより、お湯の使用量を物理的に減らすのがいちばん効きます。節水シャワーヘッドは水圧を保ったまま吐水量を絞る仕組みで、製品によっては最大50%程度の節水になると表示されています。工具も工事も要らず、買ったその日から効き始めるのが利点です。
選ぶときは「節水率」だけでなく手元に止水ボタンがあるかを見てください。髪や体を洗っている間の出しっぱなしを止められる方が、結果的に効きます。
② お風呂の追い焚きを減らす
家族で入浴時間を寄せる、保温フタや保温シートを使う。それだけで追い焚きの回数が減ります。追い焚き1回あたりのガス代は一般に30〜50円程度と言われており、1日1回減らせれば月1,000円前後の差になります。古民家は浴室が冷えるので、フタの効果は都市部の住宅より大きく出ます。
③ 調理をIH・電子レンジへ寄せる
卓上IHヒーターを併用すると、ガスで使っていた分を電気へ振り替えられます。熱効率が良く、鍋底から逃げる熱が少ないのが理由です。ただしこれは「ガス代が電気代に移る」だけで、総額が必ず下がるとは限りません。電気の契約単価と比べたうえで判断してください。
④ 野菜の下ゆでは電子レンジで
ほうれん草やブロッコリーの下ゆで、じゃがいもの加熱は、鍋いっぱいの湯を沸かすより電子レンジの方が速く、消費エネルギーも小さくなります。「湯を沸かす」という動作自体を減らすのがコツです。
⑤ 給湯器の設定温度を下げる
熱すぎるお湯を出して水で薄めるのは、沸かした分を捨てているのと同じです。夏場は設定温度を1〜2度下げるだけで体感は変わらず、ガスの使用量だけが減ります。0円で今すぐできて、下げ忘れても困らないので最初にやる価値があります。
まず「自分の単価」を検針票で確かめる
見積もりを取る前に、いま自分がいくらで買っているのかを知っておくと話が早くなります。毎月ポストに入る検針票(ご使用量のお知らせ)に必要な数字はすべて載っています。
見るのは3つだけです。
| 検針票で見る項目 | 意味 | 確認のしかた |
|---|---|---|
| 基本料金 | 使わなくても毎月かかる固定分 | 金額がそのまま書かれている |
| ご使用量(m³) | その月に使ったガスの量 | 前回と今回の指針の差 |
| 従量単価 | 1m³あたりの値段。ここが本体 | 記載が無ければ下の式で出す |
従量単価が書かれていない検針票も多いのですが、その場合は自分で計算できます。
従量単価 =(請求額の合計 − 基本料金)÷ ご使用量(m³)
たとえば請求額が11,000円、基本料金が2,000円、使用量が15m³なら、(11,000 − 2,000) ÷ 15 = 600円/m³です。この数字が手元にあると、見積もりを取ったときに「本当に安くなるのか」を自分で判断できます。逆にこの数字を知らないまま話を進めると、提示された金額が得なのかどうかを他人の説明に頼ることになります。
冬と夏で使用量は大きく変わるので、直近3か月分を並べて平均を出すのがおすすめです。1か月だけ見ると、たまたま来客が多かった月の数字で判断してしまうことがあります。
最も効くのは「単価そのものを下げる」=ガス会社の変更
持ち家(一戸建て)にお住まいなら、ガス会社は自分の意思で変えられます。自由料金制ということは、交渉や乗り換えの余地があるということでもあるからです。設備の入れ替え工事は新しい会社側が手配するのが一般的で、こちらの作業は書類のやり取りが中心です。
とはいえ、個人で近隣のガス会社を1軒ずつ当たって単価を聞き出すのは現実的ではありません。料金表が公開されていないうえ、「他社より安いか」を判断する相場が手元にないからです。地域の適正価格を把握したうえで複数社を比較してくれる無料の一括見積もりサービスを使うのが、いちばん手数が少ない方法です。
乗り換えで失敗しないために確認すること
単価が下がる話ばかりではありません。契約前に、次の3つは必ず確認してください。
- 賃貸かどうか。アパート・借家はガス会社を大家さんや管理会社が決めているため、入居者の一存では変更できません。まず大家さんに相談するのが先です。
- 給湯器や配管の「無償貸与」契約がないか。設備を無償で貸す代わりに一定期間の契約を約束している場合、途中解約で残債の精算を求められることがあります。契約書の該当条項を確認してください。
- 切り替え後の値上げに歯止めがあるか。自由料金制である以上、安くなった単価がそのまま続く保証はありません。「一定期間の単価保証があるか」「値上げ時に通知があるか」を、契約前に文書で確認しておくと安心です。
乗り換えの手順そのものはプロパンガスの乗り換え・会社変更のやり方で、そもそも田舎のガスが高い背景はプロパンガスはなぜ高い?適正価格の目安で詳しくまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. プロパンガス代を安くする方法で、いちばん効果が大きいのはどれですか?
A. ガス会社の契約見直しです。従量単価が1立方メートルあたり200円下がるだけで、月15立方メートル使う家庭なら月3,000円の差になります。生活を変えずに効くので、持ち家なら最初に検討する価値があります。
Q. 賃貸でもガス会社を変えられますか?
A. 原則として入居者の判断では変更できません。ガス会社を決めているのは物件の所有者だからです。ただし建物全体で高い単価が続いている場合、大家さんに見直しを相談する余地はあります。入居者側でできるのは、使用量を減らす①〜⑤の方法です。
Q. 乗り換えると工事や立ち会いが必要ですか?
A. ボンベと調整器の交換が必要になりますが、手配は新しいガス会社が行うのが一般的です。作業時間は短く、立ち会いが必要かどうかは会社と設備によって異なります。見積もりの段階で確認してください。
Q. 節水シャワーヘッドは水圧が弱くなりませんか?
A. 吐水口を細かくして水の勢いを保つ設計の製品が多く、体感の水圧はほとんど変わらないものが主流です。心配なら止水ボタン付きを選ぶと、勢いを落とさずに「使う時間」だけを減らせます。
Q. 冬だけガス代が跳ね上がるのはなぜですか?
A. 水温が下がるぶん、同じ温度のお湯にするまでに多くの熱が要るからです。夏と冬で使用量が倍近くになる家庭も珍しくありません。単価の見直しは使用量が多い冬ほど効果額が大きくなるので、冬前に手を付けるのが得策です。
Q. 乗り換える前に、今のガス会社に値下げ交渉した方がいいですか?
A. 順番としては先に他社の見積もりを取る方が有利です。交渉の材料は「他社ならいくらか」という具体的な数字であり、それが無い状態で「高いので下げてほしい」と伝えても判断材料になりません。見積もりを持ったうえで相談すれば、既存の会社が単価を見直してくれて乗り換え自体が不要になることもあります。どちらに転んでもガス代は下がるので、見積もりは取っておいて損がありません。
Q. ガスをやめて電気や灯油に替えた方が安いのでは?
A. 給湯をエコキュートなどに替えれば光熱費は下がる可能性がありますが、初期費用が数十万円規模になります。回収に何年かかるかを先に計算してください。単価の見直しは0円で今月から効くので、まずそちらを済ませてから設備投資を検討する順番が安全です。
まとめ:削るのは「使う量」より先に「単価」

プロパンガスを安くする方法は「使用量を減らす」と「単価を下げる」の2軸しかなく、効果が大きくて我慢が要らないのは単価の側です。ガス代は毎月の固定費なので、一度見直せば効果は何年も続きます。
おすすめの順番は、①給湯器の設定温度を下げる(0円・今日)→ ②ガス会社の見積もりを取る(0円・最大の効果)→ ③節水シャワーヘッドを入れるです。まず0円でできる2つから始めてみてください。

