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築60年超の古民家で3年(冬は3回)暮らし、窓のDIY断熱・部分暖房の組み合わせ・薪ストーブ導入まで自分の家で順番に試した記録です。費用も失敗も、実際に自分が払った・やらかした範囲だけを書いています。計測していない数値は「体感」と明記します。
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- 【結論】古民家の冬は、この順番でやると失敗しません
- 古民家の寒さの正体を先に押さえる(ここは短く)
- DIYできる窓の断熱を全部やってみた(本記事の主役①)
- 最強の暖房器具はどれか:古民家で7種類を使い比べた結論(主役②)
- 薪ストーブを約100万円かけて導入した記録(主役③)
- 猫と古民家の冬を越すための工夫
- よくある質問(FAQ)
- Q1. 予算が1万円しかありません。何から買えばいいですか?
- Q2. プラダンの二重窓DIYは賃貸の古民家でもできますか?
- Q3. DIY二重窓はどのくらいで劣化しますか?
- Q4. 結局「最強の暖房器具」は何ですか?
- Q5. 薪ストーブの導入費用はいくらかかりますか?
- Q6. 今年の冬から薪ストーブを使いたいのですが間に合いますか?
- Q7. 猫がいても薪ストーブは大丈夫ですか?
- Q8. 断熱したら家が傷むと聞きました。本当ですか?
- Q9. 光熱費そのものを下げる方法はありますか?
- Q10. こたつで仕事をするのはダメですか?
- Q11. 対策はいつ始めるのがいいですか?
- Q13. 古民家の寒さで、いちばん多い失敗は何ですか?
- Q14. 部屋が多い古民家で、全部の部屋に暖房を入れるべきですか?
- Q12. すきま風グッズはどれを選べばいいですか?
- まとめ:古民家の冬は、順番を守れば越せます
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【結論】古民家の冬は、この順番でやると失敗しません

こんにちは、ゆうです。古民家に移住して3年目、冬を3回越しました。先に答えを書きます。古民家の寒さ対策は、「窓 → 足元・部分暖房 → 家の躯体(薪ストーブや断熱改修)」の順に手を入れると、お金の効き方がいちばん素直でした。逆にここを飛ばして高い暖房器具から買うと、温めた空気が全部窓から抜けていって、電気代だけが増えます。私は1年目にそれをやって、月の電気代が2万円を超えました。
我が家で実際にやった順番と、かかった費用・体感の効きを先に一覧にします。この記事はこの表を上から順に掘っていく構成です。
| 順番 | やったこと | 我が家でかかった費用 | 所要時間 | 体感の効き |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 隙間テープで窓枠・サッシの隙間を塞ぐ | 数百円〜(窓の数ぶん) | 1窓15分 | ◎(費用のわりに最大) |
| 2 | 雨戸を毎晩閉める(もうある物を使う) | 0円 | 毎晩3分 | ◎(翌朝の室温が明らかに違った) |
| 3 | プラダンで二重窓をDIY | 掃き出し窓 約8,000円/腰高窓 約4,000円 | 休日2日で2窓 | ◎(冬の朝の室温が2〜3℃→7〜8℃) |
| 4 | 窓用断熱シート(二重窓が難しい浴室・キッチン) | 1枚 数百円〜千円台 | 1窓20分 | ○(結露が激減。室温より体感) |
| 5 | 電気ひざ掛け・ホットカーペットで足元だけ暖める | 数千円〜 | 買って置くだけ | ◎(デスクワークにはこれが最短) |
| 6 | オイルヒーターで作業部屋の底冷えを止める | 1万円台〜 | 買って置くだけ | ○(乾燥せず静か。消費電力は高め) |
| 7 | 薪ストーブを導入 | 本体+煙突工事で約100万円(我が家の実額) | 相談から設置まで数か月 | ◎(家の芯が暖まる。ただし費用と手間が別次元) |
※費用は2023〜2025年に私が実際に支払った額と、購入時の価格帯です。材料費も工事費も変動しますので、最新の金額はリンク先や見積もりでご確認ください。室温の数字は我が家の室温計での実測、それ以外の「効き」は体感です。
先にこの記事の範囲を書いておきます。ここで扱うのは「どうすれば古民家の冬が寒くなくなるか」=室温と体感の話だけです。プロパンガスの単価や検針票の読み方など、お金(光熱費)をどう下げるかは古民家の光熱費を下げた方法(ガス代・電気代の実額)に分けました。寒さが取れると光熱費も動きますが、効く手の順番が違うので、混ぜると判断を間違えます。
あなたの家の寒さはどれ? 症状から逆引きする最初の一手
古民家の「寒い」には種類があって、種類ごとに効く手が違います。私が3回の冬で実際に見た症状と、それに効いた手を並べました。自分の家に当てはまる行から読んでください。
| 家で起きていること | 我が家での実例 | 正体 | 最初の一手 | この記事の節 |
|---|---|---|---|---|
| 風が無いのにカーテンが揺れる | 移住1年目の夜、閉めたカーテンがフワフワ動いていた | 窓枠・サッシの隙間から外気が入っている | 線香の煙で侵入口を探して、隙間テープ | 隙間テープと断熱シート |
| 窓から離れた場所でも足元がスースーする | 窓よりもコンセントプレートの裏と、玄関の引き戸の下が強烈だった | 壁や建具の隙間 | ドア下の隙間ブラシ、コンセント裏の対策 | 隙間の場所は線香の煙で |
| 朝の室温が外とほぼ同じ | 冬の朝、室温計が2〜3℃ | 一枚ガラスの窓から熱が逃げている | 雨戸を閉める → プラダン二重窓 | プラダン二重窓のDIY |
| 暖房をつけても頭だけ暑く、足が冷たい | エアコン設定25℃+サーキュレーターでも足が冷たいままだった | 天井が高く、暖気が上に溜まる。床と壁が冷え切っている | 部屋ではなく体を暖める(ひざ掛け・ホットカーペット) | 「体を暖める」だった |
| 窓がびしょびしょに結露する | 浴室の窓がカビの元になっていた | 冷えたガラスに室内の湿気が触れている | 窓用断熱シート | 窓用断熱シート |
| 断熱したら押し入れがカビた | 2年目の冬、二重窓のあとに押し入れの奥で発見 | 気密が上がって湿気の逃げ道が減った | 1日数分の換気と除湿 | 断熱と同時に湿気も動きます |
| 窓も足元も手を打ったのに、家全体が冷たい | 電気の暖房では底冷えが最後まで残った | 壁・床・柱そのものが冷えている | 躯体ごと暖める(薪ストーブ)か、断熱改修の相談 | 薪ストーブを導入した記録 |
我が家は最初の4行が全部同時に起きていました。だから順番が大事で、上の行(隙間・窓)を塞がないまま下の行(暖房器具)に進むと、暖めた熱がそのまま逃げていきます。
冬に間に合わせる逆算スケジュール(寒くなってから読んでいる方へも)
古民家の寒さ対策でいちばん多い失敗は、寒くなってから動くことです。12月にホームセンターへ行くと、隙間テープと断熱シートの棚は本当に空になります。プラダンも人気サイズから消えます。薪は、今シーズン割った木は今シーズン燃やせません(乾燥に1年以上かかります)。私は1年目にこれを全部やって、結局「寒いまま我慢する冬」を1回無駄にしました。
3回の冬でたどり着いた、秋口から逆算するスケジュールがこれです。
| 時期 | やること | なぜこの時期か |
|---|---|---|
| 9月下旬〜10月上旬 | 全部の窓を採寸。隙間の位置を確認。材料を注文 | 棚が空になる前。採寸は暖かいうちのほうが楽 |
| 10月中 | 隙間テープ貼り。雨戸の動きを直す(我が家は戸車が固着していました) | 0円〜数百円で効く対策を先に終わらせる |
| 10月下旬〜11月上旬 | プラダン二重窓のDIY。長時間いる部屋から | 作業が寒くない。失敗してやり直す余裕がある |
| 11月中 | 足元暖房(電気ひざ掛け・ホットカーペット)を設置。猫の暖かスポットも同時に | 本格的な冷え込みの直前 |
| 11月〜12月 | 煙突掃除(薪ストーブがある家は必須) | 焚き始める前に済ませる。業者は冬前が混みます |
| 翌年の春〜夏 | 来シーズンの薪を割って積む | 薪は乾燥に1年以上。今年の冬には間に合わない |
もう寒くなってから読んでいる方へ。私の1年目がまさにそれでした。そのときに分かった「今からでも間に合う順番」はこうです。
- 今夜: 雨戸を閉める(0円)。動かない雨戸は戸車に油を差す。
- 今週: 隙間テープとドア下の隙間ブラシを、いちばん長くいる部屋から貼る。棚が空になる前に、窓の数より多めに買っておく。
- 今週: 仕事をする机の足元に、電気ひざ掛けかホットカーペット。部屋が寒くても、足が暖かいと作業は続けられます。
- 次の休日: プラダン二重窓は真冬でも作れます。ただし作業中は寒いので、1窓ずつ、長くいる部屋の窓から。
- 今シーズンは諦める: 自分で割った薪を燃やすこと。乾燥に1年以上かかるので、薪ストーブがある家でも今年は乾燥済みの薪を買うことになります。
この記事は、この表の各行を「実際にやってみたらこうだった」まで具体的に書いたものです。窓のDIY、暖房器具の選び分け、薪ストーブ、そして猫のための対策の順に進みます。
古民家の寒さの正体を先に押さえる(ここは短く)

対策の前に、原因を1分だけ。ここを理解していないと、買う物を間違えます。
「底冷え」は空気ではなく面が冷えている
古民家の寒さは、都会のマンションの寒さと種類が違います。築60年を超える我が家は、柱と梁がむき出しの趣のある造りですが、その分、壁・床・窓枠のいたるところに隙間があります。移住して最初の冬、夜にカーテンが風もないのにフワフワ揺れているのを見て、本気で驚きました。室内で風が吹いていたんです。
そしてもう一つが、建材そのものが冷え切っていること。窓ガラス、土壁、板の間、どこに触っても冷たい。この「冷たい面」に体の熱が引っ張られていくのが底冷えです。だからエアコンで空気だけ暖めても、足元は一向に楽になりません。冬の朝、我が家の室温計は平気で2〜3℃を示していました。外とほぼ同じです。
ポイントは「空気を暖める」より「冷たい面と隙間を減らす」ほうが先だということ。同じ1万円を使うなら、暖房器具より先に窓です。
隙間の場所は線香の煙で一発で分かる
どこから入っているのか分からないときは、火をつけた線香を窓枠やドアの縁に沿ってゆっくり動かしてみてください。煙が横に流れる場所が侵入口です。我が家では、窓枠よりもむしろコンセントプレートの裏と玄関の引き戸の下が強烈でした。この「隙間をふさぐグッズ」だけで一記事ぶんの情報量があるので、100均で買える物からホームセンターの本格アイテムまでの選び分けは別記事にまとめています。
👉 すきま風で凍える前に!100均から本格DIYまで、古民家の隙間をふさぐ最強グッズ(隙間テープの種類・モヘアシール・発泡ウレタン・コンセント裏の対策はこちらで詳しく書いています)
この記事では、隙間対策は「窓の断熱とセットでやる最低限」に絞って進めます。
断熱と同時に湿気も動きます(古民家では要注意)
もう一つだけ。窓を断熱すると結露が減りますが、家全体の気密を上げると湿気の逃げ道も減ります。我が家は2年目の冬、二重窓を入れたあとに押し入れの奥でカビを見つけました。断熱と換気・除湿はセットで考えたほうがいいです。これも痛い目を見た話なので別記事に書いています。
DIYできる窓の断熱を全部やってみた(本記事の主役①)

建物から逃げる熱のうち、いちばん大きい出入口は窓です。業者に頼んで内窓サッシを入れれば確実ですが、1窓あたり数万円から十数万円。窓の数が多い古民家では、フリーランスの財布では一気にできません。そこで、自分でできる方法を安い順に全部試しました。
プラダン二重窓のDIY:実際の手順と、3年使って分かった劣化
いちばん効いたのがこれです。既存の窓の内側にもう一枚窓を立てて、間に空気の層を作ります。この空気層が断熱材の役をします。業者の内窓は数十万円ですが、DIYなら1窓数千円です。
素材はプラダン(プラスチックダンボール)を選びました。軽くてカッターで切れるので、初めてでも扱えます。断熱性能をもっと求めるならポリカーボネートの中空板のほうが上ですが、値段が上がります。我が家は窓の数が多かったので、まずプラダンで全窓を埋める方針にしました。
【準備するもの】
- プラダン(厚み4mm〜5mmが扱いやすい。透明・半透明だと室内が暗くなりません)
- 窓枠用の木材、または専用のフレーム材
- メジャー、カッターナイフ、長めの定規(1m以上が楽です)
- 両面テープ、タッカー、木工用ボンド
- 引き戸用のレール(プラスチック製が安価で加工しやすい)
- 取っ手(好みで)
- 隙間テープ(気密を詰める仕上げ用。これが無いと効果が半減します)
👉 プラダン (プラスチックダンボール)
👉 ポリカーボネート板
【素材はどちらを選ぶか】プラダンとポリカーボネート中空板の比較
これが3年使ってみた実感です。迷っている方はここで決めてください。
| 比較項目 | プラダン(4〜5mm) | ポリカーボネート中空板(4mm) |
|---|---|---|
| 材料費 | 安い(我が家はこれで全窓をまかないました) | プラダンより高い |
| 加工のしやすさ | ◎ カッターで切れる。初日でも失敗しにくい | ○ 切れるが力が要る。切り口が荒れやすい |
| 透明感・明るさ | △ 半透明で、外の景色は見えません | ◎ 透明タイプなら明るさをほとんど損ないません |
| 断熱性 | ○ 空気層があるので十分効きます | ◎ プラダンより上 |
| 紫外線での劣化 | △ 南向きの窓は3年目で白っぽくなり、端が反りました | ◎ UVカット層付きの製品なら持ちが良い |
| 猫がいる家での注意 | 爪が引っかかると表面に筋が残ります | 表面が硬く、傷が付きにくい |
| 向いている人 | 窓の数が多い/まず今年の冬を越したい | 長く使いたい/リビングなど明るさが要る窓 |
私の結論は「使い分け」です。1年目は全窓プラダンで急いで越しました。3年目の今は、南向きで日当たりが強いリビングの掃き出し窓だけポリカに入れ替え、北側や水回りはプラダンのままにしています。プラダンの寿命はうちの南向き窓で体感3シーズンでした(日当たりのない窓は今も初代が生きています)。
【DIY手順】
- 採寸と設計: 既存の窓の内側の窓枠を採寸します。上下左右の幅と高さを、それぞれ左右2か所ずつ測ってください。古民家の窓枠はほぼ確実に長方形ではありません。我が家の掃き出し窓は、左右で高さが7mm違いました。ここを平均値で作ると、必ずどこかに隙間が残ります。私はエンジニアで図面を引くのに慣れているので簡易図面を書きましたが、紙にフリーハンドで数字を書き込むだけでも十分です。
- フレームの作成: 採寸に合わせて木材をカットし、プラダンをはめ込むフレームを組みます。私はL字の木材を組み合わせて、プラダンの厚みに合う溝を作りました。
- プラダンのカット: フレームに合わせてカッターで切ります。刃は新しいものに替えてください。切れない刃で押し切ると、断面が潰れて気密が落ちます。
- 組み立てと固定: プラダンをフレームにはめ、タッカーと木工用ボンドで固定します。
- レールの設置: 窓枠の上下に引き戸用レールを設置。両面テープと細いビスで留めました。水準器(スマホのアプリでも可)で水平を確認するのが大事です。ここが傾いていると、開け閉めのたびに引っかかります。
- 設置と隙間の詰め: レールにはめて、開閉を確認します。最後の隙間テープでの詰めが仕上がりを決めます。窓が重なる部分、フレームと壁の間を念入りに。ここを省くと、せっかくの二重窓が「見た目だけの二重窓」になります。
費用は掃き出し窓で約8,000円、腰高窓で約4,000円。時間は休日を2日使って2窓でした。効果は、はっきり書きます。冬の朝の室温が2〜3℃だったのが、7〜8℃を保てるようになりました(我が家の室温計での実測値です)。隙間風がほとんど入ってこなくなったので、体感の差はさらに大きいです。暖房をつけてからの温まり方も速くなり、エアコンの設定温度を下げても平気になりました。
3年やって分かった、私の失敗3つ
- 1年目、レールを床に直置きして掃き出し窓が開かなくなった。敷居に段差があるのに気づかず水平が出ておらず、締め切った翌朝に膨張して動かなくなりました。レールは必ず水平を測ってから固定してください。
- 2年目、猫がプラダンを登った。あんこが窓辺に行きたくてプラダンに爪をかけ、フレームごと倒れました。猫がいる家は、フレームの下部を壁か窓枠にビス1本で留めておくと安心です。倒れたときにガラスに当たらない配置にしておくのも大事です。
- 2年目、押し入れにカビが出た。気密を上げたぶん湿気がこもりました。冬でも1日数分は窓を開ける、除湿機を回す。断熱と換気は両輪です。
隙間テープと断熱シート:DIY二重窓が難しい窓はここで
全部の窓に二重窓を作る時間がない、という年もあります(というか毎年あります)。そこで併用しているのがこの2つです。
【隙間テープ】効き方と費用の比がいちばん良い
古民家の窓枠は経年で木が縮み、歪んでいます。目に見えない隙間が大量にあります。私はホームセンターで種類の違う隙間テープを買い集めて、窓枠・サッシ・室内ドア・玄関に貼りまくりました。数百円で買えて、貼るだけです。
- 窓枠の縦の隙間: 弾力のあるモヘアタイプかゴムタイプ。
- サッシの合わせ目: 風で軽く動くなら、そこに隙間があります。
- 玄関ドア・引き戸の下: ここが我が家の最大の侵入口でした。ドア下用の隙間ブラシが効きます。
全部を完璧に塞ぐのは無理ですが、窓際に机を置いて仕事をしている人は、これをやるだけで足元の空気が変わります。私は仕事机が北側の窓の前なので、ここは毎年貼り替えています。
👉 隙間テープ
【窓用断熱シート】室温より「結露」に効きました
一枚ガラスの窓はガラス自体が冷え、そこから冷気が伝わります。それを緩めるのが窓用断熱シートです。プチプチのような気泡タイプ、厚手のフィルムタイプなどがあります。水で貼るタイプが多く、賃貸でも試せます。
私は二重窓のDIYが難しいキッチンと浴室の窓に貼りました。正直に書くと、室温への効きは二重窓とは比べものになりません。ただ、結露は目に見えて減りました。浴室の窓は以前ビチャビチャになってカビの元だったのが、貼ってからほとんど出なくなりました。窓からのヒヤッと感が和らぐので、体感としてはちゃんと得があります。「室温を上げる道具」ではなく「結露と体感を改善する道具」と思って買うと、期待を外しません。
👉 窓用断熱シート
お金をかけずに効く2つ:厚手カーテンと雨戸
断熱シートより先にやるべき、ほぼ0円の対策です。
厚手・断熱カーテン: 二重窓を入れたあとでもカーテンは効きます。窓とカーテンの間に空気層ができるからです。大事なのは丈で、床まで届く長さにすること。短いカーテンだと、冷えた空気が裾から床に流れ出てきます。我が家はリビングの掃き出し窓を床までの丈に替えた年、足元の冷たさが明らかに変わりました。ちなみに冬のきなことあんこは、このカーテンと窓の間に潜り込むのが定位置です。
雨戸: 古民家にはだいたい付いています。使っていない家が多いですが、閉めると窓の外にもう一層空気の層ができます。移住した当初は面倒で閉めていませんでしたが、試しに閉めた翌朝の室温が明らかに高くて驚きました。以来、毎晩閉めるのが日課です。手動で全部開け閉めするのは正直手間ですが、寝室とリビングだけでも価値があります。我が家は1年目に戸車が固着して動かない雨戸があったので、油を差して直しました。今のうちに全部の雨戸が動くか確かめておいてください。冬に困ります。
壁・床下の断熱:ここはDIYの限界を認めたほうが早い
窓を固めても、壁と床からは冷気が伝わってきます。古民家の壁は断熱材が入っていないか、入っていても薄い。床下は密閉されておらず、地面の冷たさが板の間に直に来ます。
ここを自分で完璧にやるのは現実的ではありません。私は壁の漆喰が剥がれた部分を補修するとき、壁を一部開けて断熱材を足しました。ほんの一部でしたが、その壁の冷たさは確かに変わりました。ただ、家全体でやるなら大規模なリフォームです。リノベーションの機会があるなら、外壁の内側への断熱材充填と床下断熱を業者に相談してください。部分的な断熱改修でも費用対効果の高い提案をもらえます。
DIYで壁や床に手を入れるなら、道具選びで仕上がりが変わります。私が最初に買った電動工具と、買って後悔した物は別記事にまとめました。
👉 田舎DIY初心者の電動工具の選び方 / 猫と暮らす古民家のDIYリノベーション
最強の暖房器具はどれか:古民家で7種類を使い比べた結論(主役②)
窓を固めても、暖房器具は必要です。でも古民家の広い空間を電気で効率よく暖めるのは、正直かなり難しいです。在宅フリーランスの私は日中ずっと家にいるので、暖房の稼働時間が会社員の家庭より長くなります。つまり暖房費の設計を間違えると、被害が毎日積み上がる立場です。3年かけて試した結果をまとめます。
まず結論:古民家の暖房器具の使い分け表
| 暖房器具 | 暖める範囲 | 立ち上がり | 古民家での向き | 我が家の使い方 |
|---|---|---|---|---|
| エアコン | 部屋(上のほうだけ暖まる) | 普通 | △ 天井が高い古民家では効きが弱い | 最低室温のキープ役。主力にはしない |
| 電気ストーブ・セラミックヒーター | 体の前面だけ | ◎ 即 | △ 局所的。消費電力が高い | 脱衣所の短時間だけ |
| オイルヒーター | 部屋(じんわり) | × 遅い | ○ 乾燥せず静か。作業部屋向き | 仕事部屋と寝室。タイマーで運転 |
| 電気ひざ掛け・電気毛布 | 体そのもの | ◎ 即 | ◎ 消費電力が小さく効率が最高 | デスクワーク中と就寝時。必須品 |
| ホットカーペット | 床(座っている範囲) | ○ | ◎ 床が冷たい古民家に刺さる | リビング。猫も乗ります |
| こたつ | 足元 | ○ | ◎ 暖かさは最強クラス。ただし後述の落とし穴あり | くつろぐ用。仕事はしません |
| 薪ストーブ | 家(壁・床まで暖まる) | × 遅い | ◎ 古民家の底冷えに唯一勝てた | 冬の主力暖房 |
※「立ち上がり」「向き」は我が家(築60年超・天井が高い・断熱材ほぼ無し)での体感評価です。住宅の条件で変わります。消費電力や電気代は器具ごとに大きく違うため、購入前に製品の仕様をご確認ください。
エアコンだけでは無理だった話(1年目の失敗)
1年目、私はリビングの古いエアコンを主力にしていました。すぐ限界が来ました。天井が高くて空間が広いので、暖気は上へ行ってしまい、足元は一向に暖まりません。設定25℃、サーキュレーター併用でも、足は冷たく頭だけがボーッと熱い、という妙な状態でした。
そして電気代です。長時間・高設定で回した結果、月2万円を超える月が出ました。フリーランスの財布にこれは厳しい。猫たちもエアコンの温風が当たる場所を避けて、日当たりの良い窓際か毛布の中に丸まっていました。
ただし、サーキュレーターで空気を回すこと自体は無駄ではありません。暖気が天井に溜まるのは物理なので、回すと体感は変わります。「エアコンを主力にするな」という話と「空気を回すな」は別です。機種の選び方は別記事に書いています。
効いたのは「部屋を暖める」より「体を暖める」だった
たどり着いた考え方はこれです。広い古民家を均一に暖めるのは諦める。家全体は最低ラインだけ保ち、自分がいる場所だけ本気で暖める。
オイルヒーター: じんわり部屋全体を暖めてくれます。空気が乾燥しにくく、音がしないので仕事部屋に最適でした。急に暖める力はありませんが、朝までほんのり暖かい状態が続くので、寝室では布団から出るのが楽になりました。消費電力は高めなので、タイマーと温度設定を必ず使ってください。つけっぱなしにすると効果より請求書が来ます。
👉 オイルヒーター
電気毛布・電気ひざ掛け: 私の冬の必須アイテムです。デスクワークは足と膝から冷えるので、ひざ掛けは手放せません。部屋の空気を暖めるより、体を直に暖めるほうが効率が良く、消費電力も桁違いに小さいです。猫はこれを完全に理解していて、スイッチを入れると1分であんこが乗ってきます(そして私が使えなくなります)。
👉 電気毛布
ホットカーペット: 床が冷たい古民家では、これが本当に効きます。座る範囲だけ敷けば十分です。猫たちも真っ先に占領します。板の間に直に敷くより、下に薄い断熱マットを挟むと熱が床に逃げにくくなります(我が家はこれで体感が変わりました)。
👉 ホットカーペット
この部分暖房の組み合わせにして、エアコンだけに頼っていた頃と比べて電気代は2〜3割下がりました。それでも家全体を暖めるには限界がある、というのが当時の実感でした。
部屋ごとに答えが違う:我が家の冬の「部屋別」配置
「最強の暖房器具はどれか」と考えていた1年目は、全部の部屋に同じ答えを当てはめようとしていました。3回冬を越して分かったのは、古民家は部屋ごとに寒さの種類も、いる時間も違うということです。いま我が家は、部屋ごとにこう分けています。
| 部屋 | 寒さの特徴(我が家) | 窓・隙間の手当て | 暖め方 | やめたこと |
|---|---|---|---|---|
| 仕事部屋(机が北側の窓の前) | 窓際の冷気と足元の冷え。1日いちばん長くいる | 隙間テープを毎年貼り替え。プラダン二重窓 | 足元はホットカーペット+電気ひざ掛け。部屋はオイルヒーターで最低ラインだけ | こたつで仕事をすること |
| リビング(南向きの掃き出し窓) | 天井が高く、エアコンの暖気が上に溜まる | ポリカーボネートの二重窓(プラダンから入れ替え)、床まで届く厚手カーテン、雨戸 | 薪ストーブが主力。座る範囲だけホットカーペット | エアコンを主力にすること |
| 寝室 | 明け方がいちばん冷える | 雨戸を毎晩閉める | オイルヒーターをタイマー運転。就寝時は電気毛布 | オイルヒーターのつけっぱなし |
| キッチン・浴室 | 二重窓を作りにくい。窓の結露がひどい | 窓用断熱シート | 脱衣所だけ電気ストーブを短時間 | — |
| 玄関 | 引き戸の下から強烈な冷気 | ドア下の隙間ブラシ | 暖めない(入ってくる冷気を止めるだけ) | — |
| 押し入れ | 断熱したら湿気がこもってカビが出た | — | 暖めない。空気を通して除湿 | 締め切ったままにすること |
表にしてみると、本気で暖めているのは「人と猫が長くいる場所」だけで、それ以外は「冷気を入れない」に留めています。広い古民家を全部同じ温度にしようとすると、どの器具を選んでも負けます。部屋を分けて考えるのが、遠回りして最後に残った答えでした。
【在宅で仕事をする人へ】こたつで腰を痛めた話
ここは他の寒さ対策記事にあまり書かれていないので、自分の失敗として残しておきます。
在宅1年目の冬、私は「こたつで仕事をする」をやりました。暖かさは最強です。古民家の底冷えに対して、こたつの中は別世界です。でも数か月で腰を痛めました。床に座って前傾でノートPCを打つ姿勢を1日8時間、それを毎日です。腰から背中が固まって、朝起きるのがつらくなりました。フリーランスは体が資本なので、稼働が落ちればそのまま収入が落ちます。暖房代を数千円節約して、その何倍も損しました。
いま我が家の冬はこうしています。
- 仕事は椅子と机で座る。これは譲りません。
- 足元はホットカーペット+電気ひざ掛けで本気で暖める。足が暖かいと室温が低くても平気です。
- 部屋全体はオイルヒーターで最低ラインだけ保つ。
- こたつは仕事が終わったあとのくつろぐ場所に用途を固定する。
「寒いから床に座る」は、在宅ワーカーにとって想像以上に高い選択でした。暖房計画を立てるとき、机と椅子の暖かさを先に確保してください。
ひとつ付け加えると、こたつをやめて椅子に移った瞬間、古民家では足元が一気に寒くなります。ここで我慢すると、腰のためにやめたのに寒さで体が縮こまって、結局また腰に来ます。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」にも、作業環境の項で「寒冷ばく露は腰痛を悪化させ、又は発生させやすくする」と書かれています。私が「こたつをやめる」と「足元を暖める」を同じ日にやったのはこのためです。机と椅子の高さなど、腰の側から見た作業環境は在宅ワークの腰痛対策|こたつ作業で腰を壊した私のデスク改善術に分けて書いています。
灯油とプロパンガスの話は別記事にまとめてあります
暖房の話をすると必ず出るのが燃料費です。古民家の田舎暮らしは都市ガスがなく、プロパンガス(LPガス)が標準です。これが都市ガスの2倍近くすることがあり、我が家は冬の光熱費が月3万円を超えたことがあります。ガス会社は変えられます。私は実際に切り替えて料金が下がりました。この記事は「寒さをどう防ぐか」の話に絞りたいので、費用そのものを削る方法は別記事に分けています。
👉 古民家の光熱費を下げた方法|冬に月3万円を超えた家で効いた順番と実額(プロパンガスの切り替え手順と、検針票で実際にいくら下がったかを書いています)
薪ストーブを約100万円かけて導入した記録(主役③)
3年の試行錯誤の末にたどり着いた、私にとっての「最強の暖房器具」が薪ストーブです。ここからは、導入を決めた経緯、実際にかかった額、使ってみて分かった良いところと面倒なところを、包み隠さず書きます。先に1つだけ断っておくと、薪ストーブは「寒さ」には最強でしたが、「節約」の手段としては勧めません。理由は下に書きます。
導入を決めた理由と、実際にかかった費用
薪ストーブへの憧れは移住前からありました。でも「手間がかかる」「高い」という壁も分かっていました。フリーランスにとって数十万円から百万円超の初期投資は、軽い決断ではありません。
それでも踏み切ったのは、電気暖房では古民家の底冷えに構造的に勝てないと分かったからです。エアコンをどれだけ焚いても、窓を断熱しても、足元は冷たく空気は乾く。猫もどこか寒そうにしている。そんなとき友人宅で薪ストーブを体験して、部屋全体がじんわり暖まり、体の芯から温まる輻射熱の感覚に驚きました。「古民家を本当に暖かくするならこれだ」と確信しました。
そこから情報収集です。種類、費用、設置業者、薪の調達を調べ、数社に見積もりを取りました。我が家の構造、煙突をどこに通すか、排煙経路を相談しました。相場は本体価格+煙突工事+設置工事+炉台・炉壁で約80万円〜150万円とのこと。我が家は既存の壁を一部補強する必要があり、最終的に約100万円かかりました。安くはありません。ただ、この先何十年も続く暮らしの快適さと、猫たちと過ごす冬を考えて決めました。
薪ストーブ vs 石油ファンヒーター vs エアコン:どこが違うのか
「薪ストーブは高いから石油ファンヒーターでいいのでは」と聞かれます。使い比べた実感を表にします。
| 比較項目 | 薪ストーブ | 石油ファンヒーター | エアコン |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | × 我が家は約100万円(工事込み) | ◎ 数万円 | ○ 本体+設置 |
| 暖まり方 | 輻射熱。壁・床・家具まで暖まり冷めにくい | 温風。空気が先に暖まる | 温風。暖気が上に溜まる |
| 古民家の底冷えへの効果 | ◎ 唯一はっきり勝てた | ○ 部屋単位なら効く | △ 足元が残る |
| 立ち上がりの速さ | × 焚き付けから1〜2時間 | ◎ 数分 | ○ |
| 手間 | × 薪の調達・乾燥・保管、灰の処理、煙突掃除 | △ 灯油の買い出しと給油 | ◎ ほぼ無し |
| 乾燥 | する(加湿は必要) | する | 強くする |
| 停電時 | ◎ 暖房も調理も可能 | × 電気式の送風は止まります | × 使えません |
| 猫がいる家の注意 | 本体が高温。ストーブガード必須 | 吹き出し口と転倒に注意 | 比較的安全 |
※我が家での体感に基づく整理です。製品の性能差が大きいため、燃費や暖房能力は必ず各製品の仕様をご確認ください。
読み取ってほしいのは、薪ストーブは「暖房器具」というより「家の構造を変える工事」に近いということです。すぐ暖かくしたいなら石油ファンヒーター。家の底冷えそのものを消したいなら薪ストーブ。求めているものが違います。
使ってみて分かったメリット
- 暖かさが別次元: 輻射熱で体の芯から温まります。空気だけでなく壁・床・家具が暖まるので、一度暖まると冷めにくい。焚き始めて2時間ほどでリビングだけでなく隣のダイニングや和室までほんのり暖かくなります。朝の室温も、以前は2〜3℃まで下がっていたのが、焚いた翌朝は10℃を下回ることがほとんどなくなりました。
- 薪を自分で調達できれば、燃料を買う量は減る: 私は地域の林業の方から間伐材を分けてもらい、山で枝木を拾い、近所の薪割りに参加して、年間の薪をほぼ自力でまかなっています。そのぶん電気や灯油を使う量は減りました。ただし約100万円の初期費用を光熱費の差で取り戻すのは現実的ではありません。我が家が入れた理由は節約ではなく、底冷えにはっきり勝てる暖房がこれしか無かったことと、停電への備えです。お金を下げたいだけなら、窓・隙間・暖める範囲を絞るほうが先に効きます。
- 炎そのものが効く: 一日中PCに向かっている生活で、パチパチという音と揺れる炎を眺める時間は、本当に気分が切り替わります。猫たちもガラス扉の前でじっと炎を見ていることがあります。
- 料理ができる: 天板で煮込み、炉内でオーブン料理。冬の楽しみが1つ増えました。
- 停電しても暖房と調理ができる: 田舎暮らしではこれが本当に心強いです。
正直に書くデメリット
- 初期費用が高い: 我が家は約100万円。これがいちばん大きな壁です。
- 薪の調達・乾燥・保管の手間: 伐採、運搬、薪割り、乾燥、保管。労力とスペースが要ります。そして薪は乾燥に1年以上かかります。今年割った薪は今年焚けません。買う場合もシーズン前にまとめて買うので、置き場が必要です。我が家は庭の隅に薪棚を自作して、1年分を積んでいます。
- 灰の処理と煙突掃除: 灰は数日に一度取り除きます(畑の肥料に回せます)。煙突掃除は年1回、業者か自分で必ず。怠ると煙道火災の原因になります。
- 火災のリスク: 火を扱う以上ゼロにはなりません。適切な設置、正しい焚き方、定期メンテが前提です。
- 導入できない家もある: 煙突の経路や構造の問題で設置できない古民家もあります。事前に専門業者へ相談してください。
デメリットを全部並べても、私は導入してよかったと思っています。ただ「憧れだけで買うと薪の手間で必ず後悔する」器具でもあります。導入前に、薪をどこから手に入れて、どこに1年分積むのかを先に決めてください。ここが決まらないなら、まだ買うタイミングではありません。
👉 薪ストーブ (参考)
👉 薪割り斧
👉 火ばさみ (薪ストーブアクセサリー)
斧の重さ・刃の形・柄の長さの選び方、電動薪割り機を使うべき人、安全装備については、私が実際に道具を買い替えた経緯ごと別記事に詳しく書きました。薪ストーブを検討している方はこちらもどうぞ。
👉 薪ストーブ初心者へ!安全で疲れにくい究極の薪割り斧&電動薪割り機の選び方
薪ストーブの種類と選び方
薪ストーブは大きく3タイプあります。
| 方式 | 暖め方 | 特徴 | 古民家での向き |
|---|---|---|---|
| 輻射式 | 本体自体が熱くなり遠赤外線で暖める | 鋳物が多い。蓄熱して冷めにくい | ◎ 広い空間を芯から暖める。我が家はこれ |
| 対流式 | 本体外側の空気層で暖めた空気を回す | 鋼板が多い。比較的早く暖まる | ○ 表面温度が上がりにくく、子ども・ペットがいる家に選択肢 |
| ハイブリッド式 | 輻射+対流 | 燃焼効率の高い近年のモデルに多い | ○ 両方の性格を求める人向け |
断熱性能が低い古民家では、私は輻射式をおすすめします。家の躯体ごと暖めてくれるからです。選ぶときの観点は次の5つ。
- 暖房能力: kWやkcalで表示されます。古民家は断熱が弱いので、一般的な畳数の目安より少し大きめを選んだほうが後悔しません。業者に家を見てもらって決めるのが確実です。
- 燃焼効率: 効率が良いほど少ない薪で暖かく、煙も減ります。二次燃焼・三次燃焼機能のあるモデルが増えています。
- 素材: 鋳物は蓄熱に強い。鋼板はデザインの自由度が高い。古民家の雰囲気と合わせて選ぶと空間が締まります。
- 薪の投入方法: 前開き・上開きがあります。毎日使うので、使い勝手は実機で確認してください。
- ガラス窓の大きさ: 炎が見える面積は、実は生活の満足度に直結します。ここは妥協しないほうがいいです。
猫がいる家の薪ストーブ安全チェックリスト
火を扱う以上、ここは削れません。我が家で実際にやっていることです。
- ストーブガードは必須: 本体は高温です。きなことあんこは好奇心が強いので、高さのある頑丈なガードで囲っています。猫は「熱い」を学習しますが、学習する前に火傷します。先に囲ってください。
- 可燃物との距離: カーテン、家具、猫のベッドを近づけない。猫が自分でベッドを引っ張って近づけることがあるので、位置を毎日確認しています。
- 煙突掃除は年1回: 煤が溜まると煙道火災になります。焚き始める前の秋に済ませます。
- 燃やすのは乾いた薪だけ: 生木、建築廃材、塗装や加工された木材は厳禁です。煙で近所に迷惑がかかり、煙突にタールが溜まって火災の原因になります。
- 一酸化炭素警報器を設置する: 命に関わります。絶対に付けてください。
- 灰の置き場: 取り出した灰には火が残ります。金属のバケツに入れて屋外の不燃の場所へ。猫が近づかない場所に置いてください。
猫と古民家の冬を越すための工夫
我が家には保護猫姉妹のきなことあんこがいます。冬の対策を考えるとき、猫の快適さは私にとって最優先です。人間が寒いと感じる古民家は、小さな猫にとってはもっと過酷です。
猫の暖かスポットを家の中に複数つくる
猫は寒さに強くありません。特に古民家は床からの冷えが厳しいので、安心して暖まれる場所を複数作るのが大事です。1か所だけだと、多頭飼いの家では取り合いになります(我が家は実際にこれで喧嘩が起きました)。
- 猫用こたつ: うちの猫たちの冬の定位置です。人間用のこたつは猫には熱すぎることがあり、コードを噛む危険もあるので、猫専用の物を用意しました。低い温度でじんわり暖まるので、長時間入っていても安心です。きなことあんこは一度入ると出てきません。
👉 猫用こたつ
- ペット用ヒーター・マット: こたつを置く場所がない、もっと気軽に暖かい場所を増やしたいときに便利です。クッションや毛布の下に敷いておくと、猫が乗るだけでじんわり暖まります。消費電力が小さいので複数置けます。私は窓際に小さなヒーターマットを置いていて、あんこは日向ぼっこしながらここで寝るのが好きです。
👉 ペット用ヒーター
- 電気を使わない暖かスポットも作る: 厚手の毛布を重ねる、ドーム型のキャットハウスに毛布を敷く。段ボール箱に毛布を入れるだけでも立派な隠れ家になります。我が家は薪ストーブのガードの内側に毛布を敷いた箱を置いていて、輻射熱がいちばん届くので二匹が交代で使っています。
- 高い場所を使う: 暖かい空気は上に昇ります。キャットタワーの最上段に暖かい素材のベッドを置くと、電気を使わずに暖かい場所ができます。
- カーテンと窓の間: これは猫が自分で見つけた場所です。床まで届く断熱カーテンの裾をめくって入り込んでいます。暖かいのか、狭いのが好きなのかは分かりません。
冬の猫の健康管理で気をつけていること
- 飲水量: 冬は水を飲む量が減ります。脱水を防ぐため、常に新しい水を用意します。水飲み場を複数置き、特に寒い日はぬるま湯を足して温かくしています。
- 温度差を作りすぎない: 暖かい場所と寒い場所の差が激しいと体調を崩します。我が家は薪ストーブでリビングを暖め、寝室や他の部屋はオイルヒーターで最低ラインを保っています。
- 乾燥対策: 暖房で空気が乾きます。加湿器を使うか、濡れたタオルを干す。乾燥は猫の呼吸器にも影響します。
- 運動不足: 寒い日は猫も丸まっている時間が長くなります。毎日短時間でも集中して遊ぶ時間を作ります。仕事の合間にきなことあんこと遊ぶ時間は、私の気分転換にもなっています。
- 体重: 室内飼いの猫は冬に太りやすいです。体重と食事量を定期的に確認しています。
- 暖房器具のコード: 猫がコードを噛むと感電の危険があります。カバーを付けるか、通り道から外してください。
真冬の停電で、電気の暖房が全部止まった日
寒さ対策を「電気の暖房器具を揃えること」だと思っていると、田舎ではここで足をすくわれます。我が家は真冬の大雪で停電したことがあります。半日ほどで復旧しましたが、そのあいだはエアコンもオイルヒーターもホットカーペットも、電気の暖房は全部止まりました。暖房の切れた古民家は、あっという間に冷え込みます。猫たちは寒さで私の布団に潜り込んできました。
このときに助けになったのは、この記事で書いてきた対策のうち電気を使わない側でした。
- 二重窓・隙間テープ・雨戸: 停電しても効き続けます。熱が逃げる速さが変わるので、冷え込むまでの時間を稼げます。
- 電気を使わない暖かスポット: 毛布を重ねた箱やドーム型のハウスは、停電中も猫の避難場所になります。
- ポータブル電源: 我が家は猫用のホットカーペットと給水器をポータブル電源につないで乗り切りました。消費電力の小さい「体を暖める」器具ほど、停電中も長く使えます。
部分暖房に寄せたのは寒さと電気代のためでしたが、結果的に停電にも強い組み合わせになっていました。停電のときに何をどれだけ動かせたか、容量の計算は田舎暮らしにポータブル電源は必須【古民家で2回の停電を経験して学んだこと】に書いています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 予算が1万円しかありません。何から買えばいいですか?
隙間テープと、いちばん長くいる部屋の電気ひざ掛け(または小さめのホットカーペット)です。この2つで足元の体感がはっきり変わります。それでも余るなら、窓用断熱シートを結露のひどい窓に貼ってください。暖房器具本体を買うのは、この後です。
Q2. プラダンの二重窓DIYは賃貸の古民家でもできますか?
やり方によります。両面テープとレールを置くだけの方式なら、退去時に剥がせる範囲で収まります。ただしビスを打つ、窓枠を加工するのは大家さんの許可が必要です。我が家は持ち家ですが、賃貸の友人は突っ張り式のフレームで作っていました。先に必ず確認してください。
Q3. DIY二重窓はどのくらいで劣化しますか?
我が家の実感では、南向きで日当たりの強い窓のプラダンは3シーズン目で白っぽくなり、端が反ってきました。日の当たらない北側の窓は、初代が今も普通に使えています。紫外線が効いているのだと思います。長く使いたい窓は、UVカット層のあるポリカーボネート板のほうが持ちます。
Q4. 結局「最強の暖房器具」は何ですか?
目的で変わります。家の底冷えそのものを消したいなら薪ストーブ、今日すぐ暖かくしたいなら電気ひざ掛けとホットカーペット、部屋を静かにじんわり暖めたいならオイルヒーターです。エアコン1台で古民家を暖めるのは、我が家では成立しませんでした。使い分け表を上の章に載せています。
Q5. 薪ストーブの導入費用はいくらかかりますか?
我が家は本体・煙突工事・設置工事・炉台炉壁で約100万円でした(既存の壁の補強が必要だったため相場の中でも高め)。見積もり時に聞いた相場は約80万円〜150万円です。金額は家の構造と機種で大きく変わるので、必ず複数社に現地を見てもらってください。
Q6. 今年の冬から薪ストーブを使いたいのですが間に合いますか?
設置は業者の空き次第ですが、薪が間に合いません。薪は乾燥に1年以上かかります。今シーズンは購入した乾燥薪で凌ぎ、自分で割った薪は来シーズン用に積む、という前提で計画してください。ここを知らずに導入すると、初年度に「生木を燃やして煙だらけ」という失敗をします。
Q7. 猫がいても薪ストーブは大丈夫ですか?
ストーブガードを必ず付けるなら大丈夫です。我が家は導入してから今まで、きなことあんこに事故はありません。むしろストーブの前が二匹のお気に入りの場所になりました。ただしガードは高さと頑丈さが必要です。低いガードは猫が飛び越えます。あわせて一酸化炭素警報器の設置と、灰の置き場を猫の動線から外すことを忘れないでください。
Q8. 断熱したら家が傷むと聞きました。本当ですか?
気密を上げると湿気の逃げ道が減るのは事実です。我が家は二重窓を入れた年に押し入れでカビを見つけました。古民家は「呼吸する家」として作られているので、断熱と換気・除湿はセットで考えてください。冬でも一日に数分は窓を開けて空気を入れ替える、押し入れや家具の裏に空気を通す、除湿機を回す。これで我が家は落ち着きました。
Q9. 光熱費そのものを下げる方法はありますか?
あります。田舎の古民家は都市ガスがなくプロパンガスが標準ですが、プロパンガスの会社は変えられます。私は実際に切り替えて料金が下がりました。手順と検針票の実額は古民家の光熱費を下げた方法に書いています。断熱で使う量を減らし、契約で単価を下げる。この両方をやるのが効率的です。なお、薪ストーブは節約の手段としては勧めません(初期費用約100万円を光熱費の差で取り戻すのは現実的ではないため)。
Q10. こたつで仕事をするのはダメですか?
私はおすすめしません。在宅1年目の冬にこたつで1日8時間作業して、数か月で腰を痛めました。暖房代の節約分よりも、稼働が落ちた損のほうがはるかに大きかったです。仕事は椅子と机で、足元はホットカーペットと電気ひざ掛けで暖める形に切り替えました。こたつは仕事のあとにくつろぐ場所にしています。
Q11. 対策はいつ始めるのがいいですか?
理想は秋口です。12月にホームセンターへ行くと、隙間テープと断熱シートの棚は本当に空になります。プラダンも人気サイズから消えます。採寸と材料の確保は10月上旬までに済ませておくと、11月に落ち着いて作業できます。逆算スケジュールの表を上の章に載せています。
もう寒くなっているなら、今夜は雨戸、今週は隙間テープと足元の暖房、次の休日に長くいる部屋の二重窓、の順で間に合います。自分で割った薪だけは今シーズンには間に合いません。
Q13. 古民家の寒さで、いちばん多い失敗は何ですか?
私の場合は「寒い原因を確かめずに暖房器具から買ったこと」です。1年目はエアコンを主力にして、窓と隙間を放置したまま設定温度を上げ、月の電気代が2万円を超えました。それでも足元は冷たいままでした。暖房器具を買う前に、線香の煙で隙間を探し、朝の室温を測っておくと、何に効く手を打つべきかが見えます。この記事の冒頭にある「症状から逆引きする表」から読むのが近道です。
Q14. 部屋が多い古民家で、全部の部屋に暖房を入れるべきですか?
我が家は入れていません。本気で暖めているのは仕事部屋とリビング(と寝る時の布団の中)だけで、玄関や押し入れは「冷気を入れない」「湿気をためない」に留めています。部屋ごとの分け方は「部屋別」配置の表に載せました。ただし猫がいる家は、暖かい場所と寒い場所の差が大きくなりすぎないよう、他の部屋もオイルヒーターで最低ラインだけは保っています。
Q12. すきま風グッズはどれを選べばいいですか?
場所によって正解が違います。窓枠はモヘアかゴムのテープ、ドア下は隙間ブラシ、壁の小さな穴はパテ、コンセントプレートの裏は専用のカバー。100均で足りるものと、ホームセンターで買うべきものの線引きを古民家の隙間をふさぐ最強グッズにまとめました。この記事の窓の断熱とセットでやると効きます。
まとめ:古民家の冬は、順番を守れば越せます
3年前、移住して最初の冬、朝起きて室温計が2℃を指しているのを見て本気で絶望しました。暖房をつけても暖まらない。寒そうに丸まっている猫たちを見て、申し訳なくなりました。在宅で仕事をしている私にとって、この寒さは生産性の問題でもありました。
そこから3回の冬をかけて、順番が分かりました。
- まず窓と隙間。隙間テープと雨戸は数百円か0円で効きます。プラダン二重窓は1窓4,000〜8,000円で、朝の室温が2〜3℃から7〜8℃になりました。ここを飛ばして暖房を買うと、暖めた空気が全部逃げます。
- 次に足元。部屋を暖めるより体を暖めるほうが圧倒的に効率が良い。電気ひざ掛けとホットカーペットが、在宅ワーカーには最短の答えです。ただしこたつで仕事をしないこと。腰を痛めます。
- 最後に家の躯体。我が家は約100万円かけて薪ストーブを入れました。初期費用と手間は別次元ですが、古民家の底冷えに構造から勝てたのはこれだけです。薪の置き場と調達先を決めてから買ってください。
そして断熱したら換気も、猫には専用の暖かスポットを複数、薪ストーブにはガードと一酸化炭素警報器を。ここまでやって、今は薪ストーブの前で伸びて寝ているきなことあんこを見ながら仕事をしています。3年目の冬は、もう恐れていません。
古民家の冬は確かに寒い。でも順番を守れば越せます。まだ秋なら、メジャーを持って窓の採寸から。もう寒くなっているなら、今夜は雨戸を閉めるところから始めてみてください。それでは、暖かい冬を。

